$相棒ー劇場IV
$『相棒 -劇場版IV- 首都クライシス 人質は50万人! 特命係 最後の決断』(あいぼう げきじょうばん フォー しゅとクライシス ひとじちはごじゅうまんにん! とくめいがかり さいごのけつだん)は、2017年2月11日に全国東映系にて公開された日本映画。略称は『相棒 -劇場版IV』。
テレビ朝日系の刑事ドラマシリーズ『相棒』の劇場版第4作となり、劇場版としては、前作『相棒 -劇場版III- 巨大密室! 特命係 絶海の孤島へ』より約2年10か月ぶりとなる。杉下右京の相棒が、甲斐享(成宮寛貴)から冠城亘(反町隆史)に変わって以降の劇場版である。前作に続き右京の元相棒・神戸尊(及川光博)が登場。新旧の相棒が同一作品に登場する。また、season14 最終話にて警察学校へ異動した米沢守(六角精児)も登場するが、今回は従来の鑑識官としてではなく、警察学校の教官として登場する。
2010年の『相棒 -劇場版II- 警視庁占拠! 特命係の一番長い夜』以来のテレビシリーズ放送中での劇場版公開となり、season15 第13話と第14話では前後編として、冠城が法務省出向時代のseason14当時を回想する形で本作の約1年前の出来事が描かれ、2017年2月1日、8日に放送された。本作に登場する人物も複数登場している。なお、監督と脚本は本作同様、橋本一と太田愛が担当している。
時系列としては『相棒 劇場版III』から約3年後の2016年となり、season15 第2話と第3話の間に起きた出来事として位置づけられている。
2018年3月21日、テレビ朝日系にてテレビ初放送された(20:00 - 22:19)。
あらすじ
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$7年前、イギリスのある屋敷で日本領事館関係者がほぼ全員毒殺される事件が起こった。犠牲となった駐英日本大使館の参事官の娘に当たる少女が唯一の生き残りだったが、その少女も国際犯罪組織「バーズ」によって誘拐されていた。しかし、当時の駐英大使と日本政府は“高度な政治的判断”によって、その誘拐事件を闇に葬っていた。
事件から7年後。社美彌子からの指示により、特命係の杉下右京と冠城亘は、国連犯罪情報事務局・元理事のマーク・リュウに同行していた。彼は一線を退いてからもバーズのリーダー=レイブンを長年追っており、日本にレイブンが潜伏しているという情報を得て香港から来日、美彌子と知人であった事もあり、彼女を通じて特命係を紹介され、共にレイブンの調査に当たっていた。リュウの携帯に部下の一人であったロイ・モリスから「レイブンに関する情報を入手した。だが追われている」と連絡が入り、彼から居場所を聞き出すと降り頻る雨の中特命係の二人に居場所を教えつつその現場に向かう。モリスは「天谷克則という男を調べてほしい」とリュウに伝えた矢先、首に黒い羽のタトゥーを入れた男に殺害されてしまう。
翌日、右京はリュウと共にモリスと行く予定であった食事に代わりに同行するが、レストラン街で集団食中毒が発生し、リュウも被害に遭ってしまった。その直後、何者かに外務省のホームページをハッキングされてしまう。ハッキングした犯行グループは、7年前に誘拐した少女=鷺沢瑛里佳の現在の姿を動画で公開すると同時に「7年前、日本政府は我々の要求を無視した。今回拒否すれば、大勢の人々が見守る中で、日本人の誇りが砕け散るだろう」というメッセージと700万ユーロ(日本円で約9億円)の身代金を要求。しかし、日本政府は、近々行われる国際平和会議を強く意識しており、テロに屈服しない体裁を示すことに拘り、またしてもその要求を突っぱね、断乎として戦うことを表明。これにより瑛里佳は2度も国に見捨てられる事となった。
そんな中、特命係の2人は独自に捜査に乗り出し、軽症で事なきを得たリュウと、元鑑識の米沢守に加え、亘の要請により、かつて右京の相棒だった警察庁の神戸尊とも合流。彼等と事件解決に向けて奔走しつつ、その過程でバーズのアジトを突き止め、更には瑛里佳を発見するに至る。その後、天谷克則は、かつてある島に"南洋開拓団壮行会"として国からの命で派遣された人間の子供であった事、そこで先の戦争時に国に見捨てられ、その事を後にバーズのリーダー・レイブンとなる息子に教えていたこと、瑛里佳がそのレイブンに7年間育てられていた事、レイブンのルーツ等数々の真実を知ることになる。更には世界の要人を招いて国際平和会議が開かれる日であった。「大勢の人々が見守る中で、日本人の誇りが砕け散る」。右京はこれまでの事実を纏め、この言葉の真の意味を理解する。それは東京・銀座、奇しくも開拓団がかつて国からの激励と期待を背負い送り出された場所で50万人以上の見物客が集まる世界スポーツ競技大会の日本選手団の凱旋パレードへの無差別大量テロを仕掛け、国そのものに復讐をする計画だった。
これを知った右京はパレードの中止までには至らせられなかったものの、警備を最大限に強化させるよう警察幹部を説得、承認させると亘と共に伊丹たち捜査一課と協力を得ながら、再び事件解決に奔走していく。
右京に追いつめられた犯人は、かつて自らが経験した戦争の悲惨さから、日本がいつテロの脅威によって平和な日常が破壊されてもおかしくない事を知らしめるために、右京らを利用して自分が死ぬ形でテロ未遂事件として締めくくられるよう仕向けていたことを明かす。右京は犯人から死なせるよう懇願されたが、「命の大切さとそれが無惨に奪われる悲惨さを一番よく知るあなたが自らの命を粗末にしてはいけない」と諭す。
登場人物
「相棒の登場人物」も参照