利益の代償
現在、世界中で飛行禁止となっている欠陥機のボーイング737MAXだが、
ついに、と言うかやっと生産停止が16日、ボーイング社から発表された。
737MAXは新型エンジン搭載で燃費を向上させた第四世代の小型旅客機として登場。
世界中の航空会社から受注が殺到し、日本ではANAも発注していた。
ところが、2017年に就航するや、いきなり2機の墜落事故を起こした
インドネシアのジャワ海で「ライオンエア610便」墜落事故。
続いて「エチオピア航空302便」墜落事故。
2機の墜落で合計346人が犠牲となった
飛行データ解析によると、両機とも安全装置が誤作動を起こし、機首を下げて下降させようとし、
機長が慌てて上昇させようとしたが、そのせめぎ合いの中でコントロール不能に陥って墜落した。
事故原因としてボーイング737MAXの構造上の欠陥が指摘された。
セールスポイントである14%の燃費向上を実現するため、
エンジンの取り付け位置を従来機より上前方へ移動させた。
これにより、機首が持ち上がりやすいという危険な特性が生まれてしまった。
しかし、世界中から大量の受注を抱えていた為、今更設計の見直しは出来ない。
そこで、機体が持ち上がりすぎて失速を防ぐために操縦支援システムを始めて導入した。
これがいわゆるMCASと呼ばれるもので、2機の墜落を誘発したものである。
この時もボーイング株は暴落したが、今回の生産停止の発表を受けてまた下落
安全よりも利益優先のツケは今後もボーイング社に回って来る事だろう。