湯島「Panthong(パントン)」② | 慟哭のプリンス/咆哮の油姫

湯島「Panthong(パントン)」②

呼び鈴を鳴らすと、ママが招き入れてくれた。

 

玄関は相変わらず狭い。

 

どうやら先客が1名いるようだ。

 

 

左奥の待合に通される。

 

ソファに座り、お茶を頂きながらコースを選択。

 

 

前金を払うと、すぐに案内となった。

 

ママの後に続き施術部屋へ。

 

施術部屋と言っても頭側を壁にして

 

三方をカーテンで囲っただけのスペースだ。

 

そこに布団が敷いてある。

 

部屋は全部で3つ。

 

去年と変わりなければ、嬢は3人。

 

「シャワー浴びる?」

 

「うむ。」

 

奧のキッチンの横に後付けの簡易シャワーがある。

 

セルフで浴びて部屋へ戻る。

 

すると、ママが入ってきた。

 

「あれ?」

 

「私やるけど、いいか?」

 

「あ…ああ、別にいいよ。」

 

どうやら嬢が買い物に行っているようだ。

 

この店は、ママより嬢たちの方が腕がたつ。

 

なので本音は嬢が良いが、フリーなのでこういうケースもある。

 

ここは、紙パンツを履くのも全裸も自由なので迷わず全裸にしたw

 

ただ初めて訪れるなら紙Tバックパンツの方が施術は受けやすい。

 

ママは右側に座り、掌底を使って肩甲骨から腰、臀部へ。

 

次に合掌するように手を合わせ筋肉に滑り込ませたり、

 

挟み込んだりしながら凝りほぐしていく。

 

次に私の両足を広げ、その中に入り、臀部の筋肉を指圧してくる。

 

ここから太腿や踵まで降りてくる。

 

と、ここで突然大きな違和感を覚えた。

 

何と、手の感触が四本あるのである。

 

 

まるで千手観音だ、凄いっビックリマーク

 

一体いつこんな凄技を習得したのであろうか。

 

「凄いな」と言いながら上半身を上げて振り返ると、

 

買い物から帰った嬢と二人で私の足をもんでいた爆  笑

 

「何だ、いつの間にw」

 

「ああ、ごめんねぇ、今帰ったよぉw」

 

カーテン仕切りだから入って来ても音がしないので気づかなかった。

 

ここでてっきり嬢とママが選手交代するのかと思いきや、

 

そのまま2人でマッサを続けたw

 

しかし、それには理由があった。

 

マッサをしながら嬢はママに何やら報告を始めた。

 

勿論、タイ語なのだが、そのためにママも残っているのだろう。

 

カーテン仕切りなので、隣にいた嬢も話に参加。

 

ここがタイエステの大らかなところであり、欠点でもある^^;

 

客が煩いとは思わないのだろう。

 

施術重視だからリラクゼーションとか接客とかは二の次となる。

 

などと考えていたら、いきなり2人に身体を反転させられた。

 

右横にされると、左足は伸ばしたまま、右足を90度に曲げられた。

 

次に私の胸元や尻、足などに枕やクッションを置いて身体をガッチリ固定。

 

ここからオイルマッサが始まった。

 

右肩、肩甲骨、首、時には右手を抱えられてグリングリン回され、

 

関節の節々を延ばすストレッチ運動を加えたタイ独自のマッサージ術が炸裂。

 

凝った部分を潰される時は少々痛いが、

 

「ごめんねー、ここ痛いよね、でも我慢ねー」

 

と、言って遠慮なく進められていく。

 

逆にこうでもしないと凝り固まった部分は解れない。

 

中国エステでは絶対できない秘伝の技だ。

 

その間、ママは私の足の付け根や足裏を指圧している。

 

2人攻撃だから実に時間効率がいいグッド!

 

そして、この測位の形でマッサを受けている方は呼吸が楽だ。

 

俯せでずっと押されると息苦しくなるし、胸元にクッションを入れても長時間は辛い。

 

ところが測位だと全然平気なのだ。

 

右肩、右腕、右の首筋、脇腹、腹、足まで終わると、

 

また2人で、ヨッコラショと身体を逆方向へ反転。

 

今度は左肩からのオイルマッサが始まる。

 

手順は同じだ。

 

ママは今度、私の右足を攻めているにひひ

 

全部終わると、嬢だけ部屋を出て行った。

 

どうやら予約客が入っていたようだ。

 

ママは最後の仕上げに入った。

 

全身のオイルをタオルで拭くと、

 

まるでプロレス技のように逆海老にされたり、

 

吊り天井に近い形にされたり、

 

思い切り手足を伸ばされ、引っ張られたりする施術は、

 

全身運動のようで、心地良く体が伸びていく感覚になる。

 

施術を終えて店を出ようとすると、嬢が奧から出て来て見送ってくれた。

 

まあ、嬢といっても熟だけどねべーっだ!

 

思いもかけず二人施術となったが、追加料金は無かった。

 

当たり前だがw

 

凝った肩は軽くなったようだ。

 

「あと2回は来なきゃ治らないよ。」

 

嬢の心配する声を背中に聞きながら、

 

答える代わりに右手を挙げて、店を後にした。