今から18年前の今日、結果的に、リアルタイムでテレビで実況中継された水難事故がありました。

 

中州でキャンプしていた18人が増水のため取り残され、警察や消防も出動しましたが、辛うじて救助できたのは5人だけ。赤ちゃんや子供を含む13人が亡くなりました。

 

まだ生後4か月だったザーを抱えてほぼ一日中家に居た私はそのニュースを見て思いました。

 

「なぜ中州にテント?『川原や中州は増水時に水没するところだから絶対キャンプしてはいけない』と、理科の先生に念押しされたのに」

 

確か小学校高学年~中学1年生くらいのころ、川が作る地形(渓谷、川原、三日月湖、中州、扇状地など)について習った記憶があります。

石がゴロゴロしている川原は、水が少ない時は「地面」に見えているけれども、これは全部、川が運んできた石。川原になっている場所は、いったん増水したら全部水の底になる。そのときは、川原にあるサイズの石がゴロゴロ上流から流れてくるぐらい水の勢いがある。川岸に接している川原なら岸に上がって逃げられる可能性があるけれども、中州は特に危険。

また、雨がやんでも川の増水は止まらない。山全体に降った雨が川に向かって流れ込んでくるため、雨のピークと増水のピークには時間差があり、水嵩も信じられないほど急激に高くなる。川を甘く見てはいけない。


先生からはこのように説明されました。

 

あれって何年生の時だったかしら?と思い、ググってみたところ、どうも「理科の教科書」にはそこまで詳しくは書かれていたなかったようです。私が教わった理科の先生が、「川の作る地形」の授業に沿って、「自然の怖さ」を伝えてくださったんですね。

 

事故の教訓でしょうか。今では小学5年生の理科の時間に河川災害の防災教育もされているようです。

 

 

水難事故の後の報道で、当時のオートキャンプブームの中、アウトドア雑誌に「中州にテント」を勧める記事が特集されていたと聞きました。

 

なるほど、亡くなった方々はそういった記事を鵜呑みにしたのか、とは思いましたが同時に新たな疑問。

 

アウトドア雑誌の編集部がそんな危険なことを宣伝したの?「自然は怖い」ことを知らないの?

 

夏休みはまだあと2週間。

親として、我が子を海でも山でも、川でも、連れて行ってやりたい。

楽しい思い出を作ってあげたい。

けれども、「自然の怖さ」も忘れてはいけない。

子供たちが無事に新学期を迎えられるように気を配るのは、親の役目だなあと思います。