日テレドラマ「明日、ママがいない」を、娘nikoが楽しみにしてて
その時間にめがけて二人で風呂など済ませて、観た。
放送中も放送後も、突っ込みどころ満載で
モヤモヤしながら1日明けたら、こんなニュース
熊本の慈恵病院が、

「養護施設の子供や職員への誤解偏見を与える」
として、日テレへ中止要請の意思表明、
放送倫理、番組向上機構への申し入れも検討しているとのこと。
ソース:

観ながら我が家では。

「お前が殴るのか!」
とか
「このシーンありえないだろ!」
とか
私の突っ込みがいちいち入るのでうるさかったと思いますが
nikoは黙ってみていました。

申し入れをすると言っている慈恵病院は
「赤ちゃんポスト」を日本で初めて設置した施設とのこと。
ドラマ中、子どもたちは本名(親がつけた名前)を捨て
新しいコードネームをつけあって・あるいは自称しているのだけど
芦田愛菜演じる役柄は
赤ちゃんポストに捨てられていたから「ポスト」という仇名がついている。

日テレ側は、ドラマでは、それを強く跳ね返す子どもたちの生命力を描いているので
最後まで観て欲しい、といっているという趣旨のことが書いてあった。

人権を損なう仇名を禁ずるのは、これに乗じて
そんな仇名(出生、環境、身体などその子がコントロールできないことを揶揄するような)
がつくのを抑止するのかもしれないけど、
差別用語の禁止と一緒で、違和感を感じる前に、本当はある差別を駆逐しない、
とも思う。

つまり、実際に今現実の子どもで「ポスト」という仇名を新たにつけられる子がいたら
それはドラマの悪い影響かもしれない。

でも、ドラマの展開では
「フツウの子」のはずだった鈴木梨央が
こともあろうに、「母親が鈍器で男を殴って捕まったから、あんたは『鈍器』」
と名付けられ、ぎょっとするが
この回の最後に「私は鈍器だよ」って言っちゃうところは面白い。
環境を受け入れ、主体を取り戻す瞬間だからね。

この回の主題としては繰り返し「ポスト」が
「どうやってこの環境に適応して、主体的に生き抜こうとしているか」
を見せてくれる。
というところを描きたかったんだよね?

わざとセンセーショナルな仇名をつけるのは
そのヒドイ環境をどう受容していくかの1例。
ロッカーに捨てられていたから「ロッカー」
(三浦翔平・私は途中までDAIGOだと言い張っていたw)
貧乏だから「ボンビ」、
大福添えて預けにこられたから「大福」。

そして、うちでも
CMの間に、すぐに「ごっこ」が始まります。
このドラマの文脈にのっとれば、どれだけ「イヤだけど本当」なことを言えるか
というのがごっこのルール。
「nikoはなんだ、『うんこ』?」とひねりのないネタを私がかますと
nikoは対抗して
「ママは『冷え症』、いや、お前は『ぬか袋』だ!ぬか袋を持ち歩いてるから」
となかなかセンスがいい。


私の愛用ぬか袋娘たちとも取り合いなので、我々全員『ぬか袋』。

ドラマ後に、歯磨きしながら、私が閃いて、
「niko、『うんこじゃなくて、『便器』は?」
と、『鈍器』にかけて言ってみると、
nikoもめっちゃ閃いたって顔をして
「そうか、便器で生まれたからだ!」
と答えたので爆笑してしまいました。ほんとだ。

nikoはシェアハウスのトイレで生まれました。
それを楽しそうに、ほんとだ!って言ってくるのが面白い。

つまり、nikoは便器生まれなのを今は特に恥じていないし
これはゲームだって知っているし
この仇名で呼び続けることはないし
私とnikoのあいだに、ささくれがないから
まったくイヤではないのだ。

こういう「からかい」がエスカレートして「いじめ」になるのはわかる。
面白半分な思いつきや
誰かを疑似的にやっつける・へこませることで得られる快感に
調子にのっていく、そういう図式があるのはわかる。

でも、実生活であるものを、ドラマが「やらないでおく」ことでは、なくならないと思う。

「ポスト」という仇名で呼ぶドラマを観ることが、
既にある、見えない差別や同情や蔑みを、ハッキリ見える化しちゃうから、
いたたまれないのではないか。

中止にするより
「ホント、ひどいよね」
「うわ、ありえない」を語る場を作るほうがいいのではないか。
例えばこんなイベントがあります。

タイガーマスク基金 勉強会#13
タイガーマスク基金理事が語る「子どもたちに、寄り添うということ」

今回の申し入れ、という話は
善意の活動の中にある人々、
リアルに現場で子どもたちやそれを取り巻く環境と日々取り組んでいる人の
やりきれなさや切なさ辛さ、怒りなどが
こんな誇張されたドラマにいたたまれなさを感じる、のだろう。

ドラマを止めることでは、そのいたたまれなさを今だけなくす、ことには成果を出すだろう。
意図はどこに向けるのか。
私も、成果の出る形で、考えていきたい。


で、私の違和感は、別なところにあったのでした。
(続く)

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