リュックベッソン監督の
映画【アンジェラ】を観ました。


アンジェラ スペシャル・エディション [DVD]/ジャメル・ドゥブーズ,リー・ラスムッセン,ジルベール・メルキ
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ジャンルとしては純愛ファンタジーに分類されるのかな。

ブログで酷評が多いのは
設定がファンタジーだから?
リュックベッソンの妄想とかやりすぎとか
いろいろ書かれていて意外。
女優の魅力が足りない、というコメントもいくつかみましたが
そこがいいんだよ!そこに意味があるんだよ!
この映画は妄想ファンタジーなんかじゃなくて、
ものすごくまっとうなメッセージを伝えているのですよ。

私が受け取ったテーマは
自己を受け入れること、アイデンティティの獲得、 
成長のその先に他者を愛することができる、ということでした。

周りにも自分にも嘘をつき続け
自分のことが大嫌いなアンドレ。
アンジェラに対しては煮え切らない半端な優しさを見せるけれど
積極的なかかわりを持とうとしないし
なかなか変わろうとしない。
でも、
彼が自分自身を受け入れるところから、動き出した。
自分をしっかり引き受けた人は、人ときちんと関わりを持つことができる。

誰かを救うことができる。


魅力的でない(たぶん日本人男性受けしないってこと?)
と評されていたヒロイン・アンジェラのサイボーグ感は私はハマり役だと思う。

アンジェラは背が高くてスタイル抜群で美人だけど
「自分の過去にアクセスできない」。
そう、自分自身が何者であるかという自己統一感を持てず、
与えられたミッションを果たしても、
その記憶はまた消えて
新たなミッションを与えられる。
彼女は何も「選べない」。
この時点では能力だけが高い、まさにサイボーグなのだ。

アンジェラが意志を持つとき、新しい展開が始まる。
神様の操り人形ではなくなる。

男も、女も、それぞれが欠落した部分を自分で獲得し、
それからふたりは愛し合うことができる。
相手へのコントロールをやめて、自分自身に取り組む時、
相手も変わり始める。
自己成長の先に共同創造がある。

でも、自己成長を個人作業でやるわけではなくて
出会いがあったからこそ、お互いがいるからこそ
新しいもう1歩を踏み出す。

どちらも相手の不足な部分をけなしながらも、
背中を押す役割を果たしているのだ。

これって、荒唐無稽なんかじゃないでしょ。
現実のパートナーシップそのもの。

アンドレの哀愁ある優しいダメっぷりは魅力です。。。
結局だめんず萌えなのか?私?

いやいや、人は欠点があって愛しくて、
それでも進もうとするから素晴らしい!のですよ。