続きです。
朝食後の、モーニングサークル(全員集まる朝の会みたいなの)を待つと
駅までの送迎バスに間に合わないので
通訳できる人が食事を終えたら、声をかけよう…
そう思っていたら、別の方が話しかけてくれた
最初にこのキャンプの話をおしえてくれたHさん。
「今日帰るんだっけ?」
「そうなんです、これから、繁忙期の農家の友人のところで、
村の女性たちと、エンパシーサークル(※NVCのワークで、ブライトリスニングの体験会でも毎回やっています)
をやるんですよ!
その前にキャンプに参加できて本当によかった。ありがとう!教えてくれて、誘ってくれて!」
とお礼を言うと、Hさんはとても喜んでくれました。
「それを聞いて、凄く嬉しい。今の今まで、このキャンプの成功についてを考えていたけど
違うんだね、ここをベースキャンプにして、NVCが広がっていくんだ!」
そのHさんの言葉を聞いて、私もとてもとても嬉しくなった。
「みなさんに挨拶をしたいんだけど、通訳してくれますか?」
「もちろん!」
(このキャンプは、日本語と英語のバイリンガルで行われていて
片方の言語だけのインフォメーションは、その言葉を理解しない人を
排除されたような気持にさせる、という話があった後でした。
その話がなければ、自分の挨拶に通訳をお願いするなんて
恥ずかしくてできなかったと思う。
でも、講師のキャサリンとジェシーにも
ほかにも片言英語で対話してくれた参加者の方たちにも
やっぱり私は伝えたい、そう思えた。)
私は、ざわざわとした朝食の食堂で、大きな声で話し出しました。
「残念ながら、最終日まで参加できず、
もうすぐにここを発ちます。
たくさんの学びがありました。
スタッフに名を連ねていても、何もできないでいる自分が
いたたまれない気持ちでした。
でも、今日気づいたのは
みんな、既に、私を受け入れてくれていること。
私は「含まれている」んだということ。
これまで、私はいつも「役に立つ」ことで含まれることができると
考えていたのだと思います。
いつも、役に立たなければならない。
でも、
ここで、
みなさんが居てくれて、受容してくれて、私は
ただ、存在していることが貢献であると、初めて感じました。
ありがとう!」
Hさんが1センテンスずつ、英語で訳して話してくれました。
キャサリンにも
「これからエンパシーサークルやりにいくんですよ」と伝えると
キャサリンはいたずらっぽく
「これでNVCのスパイが増えたわね…」と笑う。
私もさらに
「そう、世界征服しましょう!」
と宣言しました。
私は、NVCそのもののトレーナーではないけれど
その大切なものを継いだブライトマインドを伝えていく。
私のやり方で。
私の生きる場所で。
ポルトガル語でエンパシーサークルをやってくれた仲間に
「今度会うときには、あなたともっと話せるように英語を頑張ってくるね」
と片言の英語で伝えると
「私も、あなたと話すために日本語頑張るよ」
と答えてくれた。
憧れの名通訳のKさんは
「いつも参加してくれてありがとう」とハグしてくれた。
承認を得られたようで、とてもうれしかった。
やはり、ずっと、私はこのコミュニティで所属、含まれる、居てもいいという許可、
を求めていたんだな……。
キャンプの主催者のMさんにも、お礼を言って、
この世界を変えていく仲間としての想いを込めてハグを。
居てもいい、という許可は
自分で自分に出すんだな。
いくら周りが承認していても
自分自身がそれを阻んでいる。
世界を、今いるその場を
本当に信頼した時
そしてその時の自分が
役割でもべきでもなく、
本当に嘘のない自分自身でいられた時。
扉が開く。
私は、ここに居てもいい。
私は、居るだけで、貢献している。
私は、大切な存在だ。
そして私は次の場所へ向かったのでした。
(「貢献にまつわる重要な体験」 完)