支援学校の高等部選び | 黒猫本舗のブログ

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5人の子供の事を中心に備忘録感覚で書いてます


遂に長男の高校受検の願書を書く時期に。

因みに余談なんだけど

受験とは一般的な進学の際の

学力諸々を含めた試験の事で

受検の方は検定とか検査を受ける事

って塾講師時代に教わった記憶がある。

一般的な高校「受験」と

支援学校の高等部「受検」は

合否判定が出るのは一緒でも

意味合いが少しばかり違うようだ。


まぁ制度関連は各自治体なんかによって

異なる場合もあるので鵜呑み厳禁かと思うけど

私の住む熊本では

支援学校の高等部を受検する際は

まず、志望校で「教育相談」なる面談がある。

面接じゃなくて面談で

この時点では志望校候補くらいの感じ。

行ったからそこ受けるの確定、とかではない。

入試や就職の面接ってよりはホント

学年最初の面談に近いと言うか

お互いの紹介と質問をする感じだった。

ここでも敢えて

いつもの長男を見せる事にした。

最初は座らせておいて

先生が様子をみたいと言ったら

長男の好きに動いて貰う。

まぁ子供全般に言える事かと思うが

子供ってのは保護者が止めなければ

どこまでも突っ走れる事のできる生き物だ。

そこは安全性と社会性の両面から

親を始めとした大人が教え込むべきなのだが

長男の場合はホンッッッッと骨が折れた。

ほかの4人の娘は

クソガキ嫌いの私が育てただけあって

ほかの大人や先生からは

悪い事を言われた事は

幸い今のところないが

まぁ今ってあんましネガティブな事は

言わないようにしてるんだろうね、

それを踏まえて面談で聞き出すべく

我が子全員毎回、

面談希望を出しているのだが

娘4人はこれが呆気なく終わってしまう。

「見る限りお子さんに何も問題はありませんが……もしかして何かご家庭で何かありますか?」

「それがイマイチ見えないから気になるのです、忘れ物とか学業成績とか学校での素行とか些細な事でもあればと思って」

「どれも全く問題ありませんけど」

「……そんな事、あります?」

「ええ、何も」

と言う流れになってしまう。

今日お互い来た意味!!ってモヤモヤするから

寧ろ不安要素しかない長男の方が気が楽。

長男は夫からも学校の先生からも言われるのが

「ママの言う事しか聞かないんですー」

いやいやいや……指導しよ、指導。

ママの言う事しか聞かなーいってキューティ、

お前はパパだろが。

そして先生、私が教室に常駐しろって事すか?

ここは担任の先生が変われば変わる事もある。

発達障害が増えてるつーけど

多分ね、昔から一定数おったと思うよ。

昔は「コラ!!」で言う事聞かせてたのが

出来なくなったから放置された結果

動物に戻ってってるだけ

……って場合も少なからずあるんじゃねぇの。

勿論、知的なり身体なり

障害の度合いに応じる必要はあると思うが 

発達障害だか人格障害だか知んねぇけど

保健所を呼びたくなるレベルのガキってのは

手帳や診断の有無に関わらず存在する。

そんな中で悪気ゼロでありながら

人を不快の絶頂に押し上げるのが

発達障害の子達であろう。

才能と呼んでもいいんじゃないか、マジで。

読み書き出来て喋れる発達障害の子は

普通級だとホンッと大変そう、周りも本人も。

いきなりの感情の起伏もさることながら

絶望的な周りの見えなさや空気の読めなさ、

いずれも恐らく本人は悪気なく行っていて

本人が人と接しようとすればするほど

人が遠のいてしまい

傍で見てて遣る瀬無い気持ちになる。

悪い奴とは言えないけど

要領が絶望的に悪くて

悪気なく人を半永久的にイライラさせてくる、

それが発達障害の人達だと私は見てて思う。

そしてさらに厄介なことに発達障害は

外見からは全く判らない障害なんだ。

長男だってそうだ。

長男は言葉は半分くらい通じれば良い方で

「帽子」と言っても通じない時は

「帽子」と言いながら頭を覆うような

ジェスチャーをしないといけないが

決まったルーティーンの一環として

組み込めば自発的に行うし指示も通る。

ここで我々は勘違いしがちなのだが

クラスの無口な子と同様に

『喋らないからと言って何も考えていない訳では無い』

長男の場合はそこをどう汲み取るかが

裏庭の猫との交流より難しい。

発達障害は個性だの何だの言ってる奴らに

是非ともご教示願いたいレベルなのだが

親が放棄しては始まらない、

待てよ。

人間として限定せずに

群れで生きる哺乳類まで

視野を広げてみたらどうだ。

人が何かを教えて出来るようになる動物……

アシカ、イルカ、警察犬……

様々な訓練動画を見て考えたりもしたし

夜中に起きて窓から出ていく奇行に

超絶悩まされた時(3歳4歳くらいの頃)は

「そういや監禁・軟禁事件ってどうやって成立したんだろう、ストックホルム症候群……」

みたいに犯罪を逆手に取って

マイルドに応用する事にしたりもした。

何せ当時はキューティが

雲を掴むような話を鵜呑みにして

夢を追って東京に戻ってしまい

知り合いもいない見知らぬ土地で

上は3歳、下は生後3カ月の

4人を私が独りで見なくてはいけない時期で

そんな中の長男の深夜の脱走や徘徊は堪えた。

2時3時に窓をそっと開けて出ていくんだよ、

私が寝れないっつの。

いたずら防止のストッパーなんかは

尽くアッサリ突破されてしまったが

他の乳幼児3人も見なくてはいけない。

この頃から私は発達障害と言う

文字に対して嫌悪感を抱くようになった。

早い話、字を見るだけで

日頃を思い出してイラッとするレベルに。

その頃は、のべ100人くらいの人から

ワンオペワンオペ揶揄されたけど

まぁ私の場合は

自分の意思で産んだ子供な訳で

ワンオペも何もない。

それは犬も猫も喋れたら同じ事を言うと思う、

哺乳類のお母さんの大多数がきっと。

まぁハムスターを見てると

マジで産んだだけで

子供を育てない母親なんかもいたから

そこは個体差あるとは思う。

中学生の頃に飼っていた

ハムスター達の育児を見てたんだけど

ハムスターってバカにしちゃいかんよ、

言うなら24H体制で長男5人見てるくらい

大変そうに私には見えた。

ホンッと赤ちゃん全員が一斉に動き回るんだ、

目も開いてないうちから。

それをお母さんは逐一、四方八方に追いかけ

モモンガみたいに広げたお腹の下に連れ戻し

その状態で授乳や排泄も日に何度もさせて

これを本当に24H体制で繰り返すんだ。

いつ寝てんだね、ハムスターのお母さんは。

それに比べたら人間は天敵もまずいないし

赤ちゃんが一斉に東西南北に行く事もないし

ラクとは間違っても言わないけど

死ぬリスクはずっと低い安心感がある。

しかしながら哺乳類のお母さんは

過度なストレスがあれば子供を殺してしまう。

人間だけじゃないんだよ、マジで。

新しいオスが前のオスの子供を殺すなんてのも

哺乳類にはままある事なんだよ。

そうならないように精神の均衡を保つには  

お母さんが適度に休めれば良いのだけど

それも儘ならないから困る。

出口の見え無いぬかるんだトンネルを

延々と進む様な気分になるけど

そこは独身時代の感覚を如何に捨てられるか、

ってのを突きつけられた気がする。

完全ワンオペと揶揄される中で幸いにも

近所の子供達が毎日10人くらいやってきて

乳幼児の世話をしたがったり

私の話し相手になってくれてたので

何とか私も被害者思考に陥ったり

闇堕ちしなくて済んだだけなんだ。

まぁ社会的にはどの子供も

子供は子供だからな、

4人いるところに十数人増えたって別に。

0と1の差が大きいのであって

3から先はそうでもない。

上の子が率先して

助手を買ってでてくれるからだ。

そう仕向けたら2人目以降は

一気に楽になる。


沢山の子供達を見ててハッキリ解るのが

「診断も手帳も出た長男は恵まれている」

と言う事だった。

療育手帳ってのは障害の重い順に

A1・A2・B1・B2に区分されているんだけど

長男は最重度のA1と診断が出ている。

発達障害に限定すれば

この下2つに入れるかギリギリくらいの子が

先にも書いたように

超絶苦労する人生を歩んでる気がする。

ただでさえ学校で苦労してんのに

「うちの子は喋れるし読み書きも出来ますけど!?」

みたいななんて言うんかな、

障害児の親になりたくない、とか

自分の子を障害児と疑われた事に憤慨、

みたいな親御さんの場合が特に大変。

その子は学校からも家庭からも支援もなく

自分の障害と戦わないといけない。

お前が悪いんじゃないぞって言いたいけど

じゃあどうすればと聞かれたとしたら

私も上手く言えない。

長男の場合は1歳くらいから

「この子、絶対何かある」って感じだったのに

検診でそれを言ったら私が怒られたからな、

男の子はそーゆーものです!!とか

長女ちゃんと比べてますね!?って。

「もし自閉症等の発達障害でなければ、この子は宇宙人か何かだと思いますけどね」

って私が軽々しく言ったときは

「宇宙人……?お母さん……カウンセリング受けられます?」

「いや喩えです、喩え。宇宙人の存在の有無とかここで議論する気はないです、そのくらいおかしいって話です」

んでもって訴え続けて

3歳半検診でやっと診断出たら

同じ保健師さんから言われたのが

「で?療育はどうされてたんですか?何もして来なかったんですか?」

お前の手のひらはドリルか何かか?

でもね、そんなもんなんだよ。

いちいち覚えてらんねぇだろうから

当たり障りないこと言って回すのは解る。

行く行く最重度のA1の判定が出る長男ですら

こんなもんだったんだよね。

まぁ10年以上前だから

今はまた違うかもしれないけど

「認めない」親御さんは多いのだと言う。

どうなんだろうな、

私なら我が子の健康診断で異常があったら

速やかに検査並びに治療したいところだが

自分が認めなければ事象として成立しない

って考える人もいるかとは思うし

診断が出ようが出まいが

上手くやってける子もいると思うから

そこは運。


そして逆に困るケースが

やはり子供だから成長に伴い

身体障害や発達障害が改善する場合もあり

もし診断が出なかった場合は

手帳が取り消されてしまい

それまで通っていた支援学校に行けなくなる、

なんて事もあるらしい。

「この子は何故、支援学校に来てるんだ……?」

ってレベルのしっかりした子のお母さんが

切実に教えてくれた。


逆に普通級では散々な子でも

会話が出来て読み書きが出来るのは大きいから

支援学校では優等生となり

一般企業への障害者枠で

就職に有利だったりもするらしい。

どれが何がその子にとって最善なのか、

ほぼ四半世紀前の経験則と

最新の情報とやらを掻き集めながら

結果論でしか解らない事に立ち向かうから

育児は空回りしたり裏目に出たりする。


私としては見た目に解らない障害だからこそ

最重度の診断が出て良かったと思ってる。


で、中学までは支援学校も義務教育なんだけど

高等部ってのは自分で探さないといけない。

安心出来る要素として

長男は学校と言う場が大好きだ。

毎日、嬉々として学校に行く。

そして新しい環境もわりかし好きみたいで

先生と言う存在も好きみたいだ。

ここは今までの担任の先生に深く感謝してる。



支援学校は普通の高校より数が圧倒的に限られ

尚且つ、合否の基準がサッパリ解らない。

知的障害か身体障害かの区分がある所はあるが

俗に言う合格点や偏差値や素内申もないので

自分の子の合格判定が全く解らない。

願書を頂いた時に貰った過去問のサンプルは

ヌーさんが嬉々として解いていた。

そういうの好きーやるやるーって。

『えをみて もののなまえをかきましょう』

「か、さ……ぎゅう、にゅう……デキタ!!」

みたいなレベルの物の中にほんの少し

『一辺が15cmの正方形の面積を求めましょう』

みたいなのが混ざってる感じ。

「ママ……コノシカクノモンダイ、ワカンナイ」

「ヌーさんにはまだ早いんかもしれんよ、面積は4年生の問題だから」

「メンセキッテナンダロ?メンセキッテナニ?キニナルンダ」

「面積は広さの事で……こう言う真っ直ぐの四角の場合は縦×横って奴でさ、縦15の横15だから15×15って電卓でやってみ、はいどうぞ」

「エート…30?」

「足したろ?カケルはバツの奴」

「アッ……Cオサナキャ、15カケル15……イチジューヒャク、225!!」

「ピーンポーン大正解~~225ヘーホーセンチメートルって言うんだ」

「ヘーホーセンチメー……?」 

「ヘーホー!!」

「ヘーホー!!」

「センチメートル!!」

「センチメーチ……ンンッ!?」

「詳しくはお姉ちゃん達に聞いてみよう!!」

ってな具合に面積と漢字だけは

ユルユルフンワリ私が教えたけど

後は年長さんのヌーさんが

スラスラ解けるレベルの設問が

支援学校の高等部の受検の過去問。

平仮名・片仮名・簡単な図形などなど。

いずれも長男には全く無理無理蝸牛だが

それらが出来るかどうかを見るだけで

得点はそこまで合否に関係ないらしい。

そりゃそうだろうな、

出来不出来を競う環境じゃないんだから。

そもそも本来、人は学力や能力のみではなく

適性によって分けられるべきなんだよね。

そこを逆手にとってた私が言うのも変だが

1つの評価基準によって生じた序列で

優劣を作りすぎてる気がするんよね。

何かでダメだったり誰かに否定されたからって

本当に自分が普遍的にダメでアウトな人間かは

全くの別問題じゃん?

その限りにおいてはどうかってだけで。

どうにも合わないと感じたら

「次いこ次」でよくない?

よくなくなくなくなくなくない?



ある日、長男と下通のCOCOSAに入り

「ちょっとトイレ行ってくるけど長男も行く?」

「………」フルフル

「じゃすぐ戻るからここ、ここで待ってて」

と、トイレ前のソファーに待たせて

何人か並んでるけど5分で出ないと

長男が点線で描いたようにいなくなる!!

と、チャッとやってチャッと帰ってきたら

長男の前にスーツ姿の人がしゃがみこんで

熱心に何やらファイルを幾つも広げていた。

「あの……何か?」

そう私が後ろから声をかけると

その男性はやや怪訝な面持ちになるも

私の顔をジッと見て表情が一転した。

「あ、お母さんですか?」

「そうです、この子の母親です」

「いえね、僕、怪しい者じゃないんで」

自分で怪しい者じゃないと言うぐらいなら

怪しくないんだろうな、多分。

まぁその人の言う事を要約すると

広告なんかに写ってる

無名のモデルさんになれそうな人を

街中で探している人らしい。

「見た目も雰囲気もバッチリだなって、見た瞬間にビビッと来ましたよ」

「そうなんですか……」

「こう言うの興味無いかなぁ?どうかな?」

見せられたファイルには様々な広告や

服のカタログか何かが綴じてあった。

何か……結構、ルックス重視じゃないか……?

長男にこんな爽やかな笑顔、出来るか?

長男はお得意のシカト、

まるでその人が目の前に存在していないの様に

脚を組んで爪を眺めているが

少しだけ眉根を寄せているのを見ると、

少し不快に思っているらしい。

「……実はこの子、重度の障害がありまして。気付きませんでしたか?」

「えっ?障害?」

「自閉症って聞いた事ないかな、さっきから一言も発しないし目が合わないでしょう?」

「えぇっ?そうなんですか?あー……」

「だから……その、仮にお話をお受けしたとしても、とても迷惑が掛かると思うんです」

「でも静止画ならどうです?動画は難しくても写真だけでも十分イケますよ」

食い下がるねぇ……

「いや……やめといた方がいいと思う。紹介つーか仲介したあなたの立場もあるだろうし」

「えぇ何だかすみません、自閉症の事に理解もなく全然分からなくて無責任にお声がけして」

「あっ、それはそんな風に思わないで大丈夫。寧ろ親としては凄く安心したんです、うちの子をパッと見でそういう風に見てくれたんだって」

「そう、ですか?」

「ええ、お声掛けありがとうございました。この辺、オシャレな美男美女が多いからすぐ見つかりますよね」

「あの、是非、名刺だけでも」

「いやいやいややめとこう、そう見てくれただけでも、凄く嬉しかったので。わざわざお声かけして下さって本当にありがとうございました」

そう一礼して歩き始めると

長男が私の腕に

満面の笑みでしがみついて来た。

何かよく解らない人を追い払ってくれた、

そんな風に思ったのかもしれない。

私は子供が自分で契約出来ない子供の内は

こう言うのから遠ざけてきた。

赤ちゃんモデルの話も

何か取材の話も全部。

『子供にYouTuberやらせてみたら?』

これも何十回と言われた言葉だが

私が絶対禁止した。

仮に運良くバズって収益化出来たとして

ちょっと回転寿司に行っても

「子供を世界に晒して食う寿司は美味いか」

みたいな目で見られそうだし

何より、映像ってさ、

本人が削除しても残るんだよ。

完全に消すのは無理みたいなんだよ、

人の記憶と一緒で。

自分の小さい頃のホームビデオですら

大人になってみせられると

ベランダからテレビごと投げ捨てたくなるのに

それを世界に向けて

誰と分かる映像で発信してたとしたら

私が子供だったら一生、親を怨む。

一生残るじゃん、お前が出ろよ!!って。

この件に関しては高学年になった長女から

「あの時は何でそんなに怒るんだろうって不思議だったけど、今ならママがYouTuber絶対ダメって言った意味がよく解る。止めてくれて本当にありがとう」

と言われたので安心した。

卒業アルバムとかはさておき

あんまりそーゆーのして欲しくないんだよ、

例えお金が入るとしたって

子供の将来とか私生活と引き換えな訳じゃん。


……でも。

先程から私の腕を離さない長男を見て

「もしかしたら私は長男の将来の選択肢の1つを奪ってしまったのかもしれない」

そんな思いがよぎった。

もしあのまま名刺を受け取り

引き受けたところで

長男が上手くいく保証なんてどこにもないが

如何せん、15歳の現在で

発達指数からすれば

1歳9ヶ月の子と変わりない子供なのだ。

そんな長男に来た1つのチャンスを

私は独断で握りつぶしたのではなかろうか。

「ねぇ長男さ、さっきの…何か言われてたじゃん、あれやりたかった?」

「二ッ」

「二ッて何だ、やりたかった?」

「二ーギガ」

「どっちだよ」

「ニーギガッ」

「……やらなくて良かったな」

「アハハハハハハハ」

「笑ってるならいいや。そうだ、並木坂でいつものソフトクリーム食べようよ」

「……?」ミケンニシワー

「アイスだよ、アイス食べよう。いつも食べてるだろアイス」

「アハハハハハハハ」ピョピョーン

「こら待て!!止まれ!!すみません!!」

こんなん撮影現場にやれるかっての!!

親以上に関係者の精神が死ぬわ!!

たかが1つのチャンス逃がしたからって

何だと言うんだね。

また次はい次、どんどん色々来るよ

人生わりかし長いから。

ただ……まぁ長男に限らずだけど

本人がチャンスに飛び乗ろうとした時に

私が障壁になる事もあるのかもしれない。

でもまぁ何だろ、

未成年の内は障壁にも防波堤にもなるよ。

長男の場合はいつまでなのか分からんけど

とりあえずここ数年、

前述の様々な破天荒な試行錯誤が

実を結んだのか何なのか

私の言う事はとりあえず

聞いてくれるようになったから

何とか毎日過ごせている訳です。


長男といて感じるのは

10年前と比べて

外で長男がいきなり笑って前後に揺れて

私が肩にトン、と手を置いて止めて

周りの人に謝ったりすると

不審に見てくる人も当然いるけど

にこやかに見てくる人が増えた事だ。

更には

「あ、自閉症?こないだテレビで見た」

とか

「うちの子/親戚の子も発達障害で」

って会話がかなり増えた事だ。

当事者とか身内でもない全ての人が

障害を理解しなきゃいけない

って事はないと思うんだよ。

機会があったら、興味があれば、

で良いと思うし

障害者の人を見て不快に感じる人がいても

それは仕方のない事だ。


現に野放しにされた

精神障害や発達障害の人が通報され

警察が不審者と見倣して

地域に注意喚起を発信している訳だが

それは悪い事ではない、地域の安全の為だ。

ただ、全体的に……何だろうな、

詳しい話は置いといて

そーゆー人もいるらしいなって

認識が広まりつつあると言うか

好奇以上の腫れ物未満って感じで

昔より寛容な感じにはなった実感はある。

だからっつって野放しにゃ出来んけどな、

不審者情報に載る未来が待ってる訳で。


とりあえず長男の場合はこんな感じなので

独りで通学させるのは現段階では考えてない。

高等部からはスクールバスがなくなるのだが

決まったバス停で降車は覚えられても

その道中、いきなり笑い出したり何だりで

他の乗客の人のご迷惑を考えると

やっぱ俗に言う奇行を止められる私が

行き帰り付き添うしかなさそう。


前は2歳のヌーさんと朝から路線バス乗って

学校まで長男を送迎してたんだけど

ヌーさんも来年は小学生、就学しちゃう。

片道1時間強の支援学校の通学付き添いは

大変っちゃ大変だったけど

2歳3歳のヌーさんとの旅は楽しかった。

バスの中で超小声で絵本読んだり

ワークやったり(⟵良い習慣になった)

長男を学校まで送ったら毎日

焼きたて一番の蜂楽饅頭を食べて

ヌーさんの好きな神社を巡って

美術館の街中子育て広場に遊びに行き

上通下通周辺をウロウロした日々は

本当に本当に楽しかった。

初めての母子1対1の育児を経験した気分。

これも長男の遠距離通学の功名みたいなもん。

今度は私と長男のサシかぁ……

ヌーさんいないのが寂しくてならんが仕方ない

資格の勉強でもやろうかなぁ……

本も読み放題だよなぁ……

帰りは定期区間内ぶらり途中下車の旅とか……

なんて思うとワクワクしてくる。

ポジティブってより慣れ?

っつーか寧ろ何か麻痺してるのかもしれんけど

ヤダヤダ言っても進まねぇんだもん、何も。


いつも以上に長くなっちゃったけど(スミマセン…)

とりあえず、我が家の長男の

支援学校高等部の受検が

本格的に始まりました……