今年のクリスマスパーティーは
前の週の長女の熱やら
キューティへの援助で
やろうかどうしようか、直前まで迷った。
長女は幸い、インフルエンザではなく
ライトなお薬を処方され
「36度5分!!明日は学校行けるね!!」
翌日「40度に逆戻り!?」を繰り返し
月曜日に早退してから金曜まで休んだ。
ヌシは長女がいる事に喜んでいたが
「ハワーィ!!」
と言えばいつもすぐ
すっ飛んで来てくれるのに
呼んでも呼んでも
返事だけで来てくれない、
不思議そうに和室のフスマを眺めて
また長女を呼びまくるのを
横から私にワシャワシャされて
笑い疲れて寝かしてまた起きたら
長女がいるはずの和室に向かって
ハワーィハワーィ呼び続け私にワシャワシャ、
フスマの向こうの長女は
ヌシを構いたくて身悶えしていた。
……先月の授業参観でも大変だったぜ、
ヌシが長女次女を見つけて
大喜びして「ハワーィ」
長女次女は少し振り返って会釈して
一瞬で前を向いてしまう、
こりゃイカン次の展開が何か読める、
普段はおとなしくニコニコなヌシだが
懐疑的になると頑固になるんだ。
そう廊下に向かった瞬間「ハワーィ!?」
「ヌシ、しーっ!!ヌしーっ!!」
「………ワチャ?」
「みんな静かにしてるだろ、しーっ」
もういい、廊下から見よう。
すると長女の友達、知ってる顔ぶれが
先生の目を盗んで
次々にヌシに手を振るもんだから
「ワッキャ!!」ニコニコニコッ
やばい、これ以上は授業が止まる!!
テンション高めの赤ちゃんも大迷惑だ、
頭を下げて校内散策することにした。
「ワッキャワー?」
お姉ちゃんは?と言いたげに
名残り惜しそうなヌシに苦笑しながら
「知らない人がいっぱいいるところは静かにだよ」
「ハワー……」
ヌシはそれから下校まで静かだった。
途中、擦れ違う上級生や父兄から
「赤ちゃんデカっ」「うわぁ!?」
って反応も苦笑会釈でやり過ごし……
まぁ長女が元気になってやって来ると
ベッド揺らして喜ぶヌシ、
私はさておき、長女次女も
82㎝13㎏の8か月の赤ちゃんを
よくまぁ軽々抱っこするわ……
8か月だから大きいのであって
2歳くらいならフツーっしょ、
そう割り切って母親の私は抱えてるのに。
で、クリスマスパーティーの1週間前に
長女がそう休んだものだから
あんまり告知が出来なくて
受験生並びに彼氏彼女持ちの
OGOBには敢えて連絡しなかったが
それが後々でややこしい事になる。
で、2つ目は私の気分の問題。
何をやらかしたのか知らんが
独り暮らしフリーターの月収くらいのお金を
キューティにやる羽目になった。
キューティの世話にはならないように
そう努めて来たのが仇になってる気がする。
家賃光熱費通信費がキューティで
食費と子供に掛かる物は私、
まぁお互い15万前後家計に入れたら
後は各自で好きにと思ってたんだが
何かキューティが色々滞納しまくってて
その肩代わりを私がする事になったんだ。
私がその日に即金で払って
数年前から考えていた事を切り出した。
「お前がいなくても特に困らないのはお前が自ら証明したし子供達は私が責任持って大学専門までは出す、トラブルメーカーは荷物まとめて実家に帰ってくれないか?」
それは嫌なのだと言う。
「じゃあ君は……何なら、出来る人なの?」
キューティといると
全く頭を遣わなくても良い代わりに
私が全く関わってないところで
滞納トラブルやら親戚トラブルが続くんだ。
こないだも面識のない長身の男性が
突然、家に入ってきて
挨拶もなくソファーで寛ぎ出したので
延長コードを後ろ手に持って
背後から羽交い締めにしようと
ジリジリ和室側から近寄ったら
実家に帰ってるはずのキューティと
我が子らが義両親と入ってきて
言いだしたら聞かないからとか何とか
私を差し置き和気靄々、団欒を始めた。
立ちつくす私の顔を見て察したのか
お義母さんが空気を読んで
そそくさと帰ってくれたけどな、
お互いすみません、って感じで。
「あのさ、キューティ」
「さっきの人が従兄弟のナントカ兄ちゃん、めっちゃイケメンでしょ?」
「…………」
「背も高いしハーフみたいだよねー」
「次からは挨拶出来るブサイク連れてこいよ、顔面全振りバカはもう充分だから」
「え?何で怒ってんの?何かあった?」
「お前、1人でいる時に知らない長身のオッサンが前置きなく家に入ってきて寛ぎだしたらどうよ?」
「えー?名前聞いたことない?俺の従兄弟の」
「お前には従兄弟でも私にはいきなり入ってきたオカシイ奴だっつの」
「親戚が親戚の家に入っただけなのに?」
そう、この価値観の違い。
私の親は別所帯に入る事を気にして
阿蘇とか山鹿辺りにホテル取ってから
タクシーとかで来る訳だが
キューティの家からすれば
親戚の家は庭の離れくらいの感覚みたいで
どっちが正しいとかじゃないにしても
何から何まで全てが両極端だから
価値観が全く合わないんだ、残念ながら。
他にもどー見てもカタギじゃなさそう、
そんなオッサンが怒鳴り込んで来て
私には何の話かサッパリ判らないが
とにかくキューティとモメ始め
私は家の中に押し込まれ
ドアを押さえられたので
子供達には和室から出ない様に言い聞かせ
ドアを壊す覚悟で何とか外に出て
2人に説明を求めたが
2人とも何故か口を割らない。
そうか、じゃあ……
「解りました、これから私は怒りに任せて騒ぎまくり夫とあなたに全力で暴行を加え事を大きくしたいと思います。最初に断っておきますが、私は強いです」
ってアホ丸出しのハッタリに出て
わざとらしく上着を脱いで
ぶったるんだ腕に力を入れて指を鳴らし
メコメコ筋肉アピールすると
更に面倒くさい奴と思ってくれたのか
オッサンが折れてくれて
私の理解を超えた話をしてくれた。
「それは……わざわざ申し訳ない、うちの旦那が悪いのに」
「いきなり来てビックリさせてすみませんね。さっきは殺されちゃうのかと思いましたけど」
「また大袈裟な」
「何かされてたでしょ?奥さんアナタ何者?」
「あの、それはお互い様ってことで」
って私と正体不明のオッサンが和解して
次は法的措置に出て良いよって約束して
バイバーイってマジで手を振って見送って
な?馬鹿馬鹿しくてやってらんねぇだろ?
結婚するなら頭の良い奴とか絶対無理だし
自分より稼ぐ奴も論外、
顔が可愛くて性格が良くて
絶望的に計算が出来ない子が良いよ、
そう思っていた時代が私にもありました。
頭弱くて顔が可愛いってのがいいのよって。
でもな、ハッキリ思うんだよ。
相手が悪いと思いたい時点で
そう思う様な状況を招く相手を選んだ
自分の甘さと頭の悪さを省みるべきなんだ。
そーゆー奴だから
そーゆー奴とくっついただけの話っつーか。
結婚してから
東京時代は家も家電家具も
私サイドで用意したし
私が仕事を諦めた代わりに
キューティには夢を追わせてたっつーか
好きにさせてたつもりなんだが
それは私が夫婦という物を
余り理解していなかったからだ。
子供への責任感ばかり考えて
配偶者に依存しなかった代償なんだと思う。
養われるよりマシっつーか
「間男だと思えば凄くやってくれてる」
って程度で配偶者を見ていた報い。
はぁ……18万かぁ……
多分戻ってこねぇだろうな……
幾ら貸したとか以前に
借りた事すら忘れちゃう人だもんな……
夫婦間で何言ってんだで終わりだろうけど
でもこれで預金切り崩すの嫌だなぁ……
子供達の今後の学費と
老後のドリームハウス計画が……
クリスマスパーティー……やめようかなぁ……
そんな弱気になっていた私だが
色んな子から問い合わせが来て
やっぱやるぅ!!って敢行した。
そんかわり気分が沈んでるから
予算はお菓子とレクリエーションと
お土産込みで2万円と
例年に比べて大幅削減。
何か景気の縮図って感じな、
ちょっとした買い控えが呼ぶ不景気つーか。
子供達には腕時計と冬用のブーツに
女の子が喜びそうな文房具とか
ちょっとした玩具とかおゆまるくんとかを
ギッチリ詰め込んだ袋を渡した。
欲しい物決まらないとか言う我が子らが
すごく喜んでくれたからいいや。
長女が前の週に風邪長引かせたから
今回はそんな来ないんじゃないかな?
50人分用意したけど余るだろうなぁ
って悠長に構えていたら
小学生だけで30人以上の参加があり
中高生以上の参加者が想像以上に多く
同窓会状態になったのもありで
50人分ではギリギリな事態に。
引っ越してきたばかりの方も
御近所のお孫さんもみんな来てくれて
校庭や職員室からの視線は痛かったが
「うちのお父さんお母さんは今日も仕事で遅いからクリスマスできて嬉しい」
って子が何人かいたので
やる意義はあったかなと思った。
特に私が意図的に誘わなかった
彼氏彼女持ち並びに受験生は
人伝に知って来てくれたらしく
「呼んでくれんかったとかショック」
「切られたんかなと思った」
……私が悪いんか?
下手な気を遣わず空気読まず
誘った方がよかったんか?
「来年はフツーに誘ってよ」
「彼女おってもくるけん」
………マジか、じゃあ誘うわ。
今年からハロウィンもクリスマスも
小学生が帰ってから二部制になった。
寒く暗い中でドッヂボールとか正気か、
とりあえずピザでも頼もうか、
そうカントリーマアム咥えながら
軒先を片付けていると
何台も車がやってきて
シャトレーゼや不二家とかの
贈答品となり得るお菓子を
わざわざ持ってきて下さる、
そんな御家庭が増えてしまった。
会費ナシお持たせ不要にした意味が……
「何かこうして良いものを頂いてしまうと、ワラシベ感が半端じゃないんですが」
「いえいえ受け取ってください、何かうまい棒だけで何百はあったって聞きました。大変だったでしょう?」
「それはうまい棒だから300本買えたんです、お菓子もお土産も全て問屋価格なので」
「うちの子もすごく喜んでました、珍しく興奮してお土産見せてきて」
「ホントですか、そこは安心しました」
心が荒んだ時は
みんなが喜んでくれる事を考えて
頭パッカーン状態で楽しくすれば
心が晴れるのだな、そう思った。
うわー嫌だーあり得ーん私不幸ーって
塞ぎ込む方が楽なんだけどね、
それに呑まれちゃいかんのだよね。
目先の事に囚われたら
先の事も見えなくなっちゃうもんな……
とりあえずは始まったばかりの冬休みを
全力で楽しんで行こうと思います。