以前、学校にPTAの用事で行ったら
高学年の児童達が昇降口に集められていた。
「ん?何かあんの?」
「今日はみんなで帰る日なんだって」
「あぁそうか、不審者情報あったからな。何かこーこーこーゆー見た目の男がこーこーこーしてたらしいから気を付けて帰ってね」
「不審者いたの!?」
「らしいよ、じゃーね」
みたいな感じで別れて
私もサッサと用事終えて帰るか、
すると後ろから
「あなた、子供になんて事言うんですか?」
「え?」
振り向くと先生が鬼の様な形相で
私をにらみつけていた。
「何か悪いこと言いました?」
「何で不審者なんて軽々しく言うんですか、子供が恐怖を感じたらどうするんですか!?」
「いや、不審者情報があったから集団下校なんでしょ?」
「だから!!子供が恐くて帰れないとか心に傷を負ったらどうするんですかと聞いているんです!!今すぐ子供達に不審者なんていない、集団下校するだけだと訂正してきてくださいよ」
「えっ言わないんですか?不審者の特徴を子供に言ったらダメってことですか?」
「当たり前でしょう!!早く、今すぐ訂正してきてください」
「……解りました」
私も何か納得行かないしイラッとしたので
「おーいみんなーごめんごめん不審者情報ではさっき私が言った通りなんだけど先生が不審者なんていないって言えって言うから訂正するわ!!不審者なんていないって!!」
と宣言する塡めになったワケだが
「不審者の特徴は児童に伝えるべき」
……じゃないんか?
大人の為の不審者情報なのか?
両親共働きが多い現代、
昼間は極端に大人がいないのに?
後日、PTAの打ち合わせの際に
不審者多すぎ!!って話題になり
「不審者情報って児童に言わない方がいいんですか?」
って教頭先生にサラッと聞いてみたら
それはその先生だけの考えであって
教諭全体の総意ではない、
寧ろ教えない方が危険であり
是非ともそれを言った教諭の名前を教えて
みたいな展開になった時に
遠くからこちらを見る御本人と目が合った。
いたのか、好都合じゃ。
「あぁ、その時は名前が判らなかったんですが、今じゃ顔もあんま覚えてないんですよねー会っても解んないかもです」
って終わらせた。
貸しイチな、返さなくていいけどよ!!
目的はその先生を吊し上げる事ではなく
学校としての意見なのか
そこを確かめたかっただけだもん。
個々の意見を聞くことは大事だけど
1人の私見を鵜呑みにして
ましてやは全体論にしてはいかん。
子供を守れなかったらどうしよう。
これは双子が生まれてから
今もずっと心の隅で燻っている。
幼稚園、小学校、中学校、
進むごとに子供といない時間が増える。
当たり前だ。
だからこそ、
子供と一緒になって遊べる関係を
築いて来たつもりだが
流石にいつも付いて回る訳にもいかない。
しかしながら
「ヤバい男の人がいる!!お願いしますアイツをやっつけて!!」
みたいな時とか
「中学生が暴れて誰々がカッター突き付けられてる!!」
みたいな時とか
急な豪雨に落雷が伴った時とか
みんなワーッと来てくれると
内心、ホッとする。
乱心中学生の時は厄介だったし
痴話喧嘩か何かで殺す殺さないの怒号で
上から家具がボンボン落ちて来た時は
危険だから通報しちゃったけど
玄関チャイムを鳴らして出て来た私に
ズラッと並んだお巡りさん達が
取り押さえた男の目の前で
「通報頂いた方ですよね!!通報、ありがとうございました!!」
って言った時は噴いて後ろに仰け反った。
言わなくていいっつの!!って。
まぁでもさ、
道で子供に声を掛ける=不審者
みたいな定義があるとするなら
それで地域の大人で子供を守ろうとか
日頃から顔見知りでないと
……ってのが裏目に出た事件あったな、
もうどうしていいのか私には解らん。
じゃ何で長男の写真載せたよって話だが
親のエゴ承知で言えば
自閉症の子供って見た目こんな感じで
ぱっと見は解んないんだって話に併せて
長男は今のところは
大人と離れる時間がないってのがある。
平日は学校からデイサービス行って帰宅、
勿論、送迎は車で行われるので
長男は家から学校までの徒歩5分は
赤子氏の送りがてら私が付き添い
放課後は校門まで先生に付き添われ
デイサービスの迎えを待ち
帰宅時は家の玄関まで
デイサービス職員が付き添う。
迷子にもならなくなったので
その都度みんなで褒めてたら
本人なりに凄く嬉しかったみたいで
あの失踪の日々が嘘みたいについてくる。
同じ発達障害のお母さんの中には
「もう本人の好きにさせてこっちはこっちで買い物とか好きにしてます」
ってスタンスの人には何人か出会ったけど
親が見ててアレなのに
何やらかすか解んねぇじゃんって話で
寧ろ将来は不審者サイド
って危惧しちゃうんだよね。
大人しいだの可愛いだの言われる時間より
大人でいる時間の方が
人間は圧倒的に長いんだしさ。
……前にも書いたかもしれないけど
8年くらい前かな?
お台場に行った時に
長男と次女はキューティと一緒にいて
長女だけ私と雑貨屋にいて
会計してお金を払ってた時に
すぐ後ろで「うーっ、うーっ」って声と
店員さんのビックリした顔と同時に
長女の悲鳴が聞こえたんだ。
えっ?と振り返ると
小太りの30代くらいの男が
2歳の長女に覆い被さっていて
私も気が動転したんだけど
瞬間的な殺意みたいなのに扇動されて
長女をこちらに引き離して
その男に迷わず殴り掛かった。
で、床に引き摺り倒して馬乗りになって
そこで気が付いたんだよ、
その人が知的障害者である事に。
知的障害者に一方的に暴行したのか私は、
そんな気持ちと
いやいやいやコイツはうちの娘を!!
これが平等だ覚えとけ!!
そんな気持ちが鬩ぎ合ってた時に
「いやあぁあぁあ!?」
って保護者らしき女性、
恐らくお母さんが登場。
向こうの言い分では
「可愛かったから仲良くしたかっただけなのに乱暴な母親に一方的な暴力を振るわれた!!」
こっちの言い分では
「嫌がる自分の娘に知らないオッサンが抱きついてたら誰でもこうなるわ!!」
結局、私が散々詰られて終わったんだが
どちらが被害者なんだよって考えると
……だから私は長男を野放しに出来ない。
差別だの偏見だのそんなんどうでもいい。
発達障害は見た目に判らないから
死ぬまでブン殴られるのでは…
ってどうされるか云々より
私があのぶん殴った男のお母さんの
立場となる可能性が否定出来ない。
躾どうこうの問題じゃないとか
障害があるからどうのこうのなんてのは
止められるまで自分で息子をブン殴って
親子で平謝りしまくった後にする話だ。
やられた側からしたら
障害とか来歴なんて
何の免罪符にもならないんだから
「じゃ余計にそんなん野放しにするなよ」
この一言に尽きるだろう。
〈目を離した親が悪い〉
そう言われたら終わってしまうのは
親である以上お互い様なのだが
お金を払って品物とお釣りを受け取る、
その一瞬での出来事だった、
ってのも言い訳にしかならない訳で
どうしてりゃ防げたんだろ、
長女を私とカウンターの間に
挟んで会計していれば……?
幸いにも長女の記憶の中では
オッサンに覆い被さられた以上に
逆上した私の方が怖く映ったらしく
変な後腐れはないようだが
「不審者が出てもママがやっつけてくれる」
みたいな変な安心感まで植え付けた。
しかし私ももうかなり衰えているし
「女だと思って調子に乗るなよ!?」
って逆上スイッチが入って
返り討ちが出来た20代の様には
築35年の私はまず動けない。
因みにお台場の一件では
店の外のDVDコーナーで
子供達と一緒にいたキューティに
語気荒く説明したところ
「えぇっそんなことあったの!?そーいや何か騒がしかったけど……」
それでズッコケそうな勢いで脱力して
何か安心したのを覚えている。
日常が日常として無事に繰り返されてると
ついつい忘れちゃう事だが
生き物である以上は天敵がいる。
非がなくても捕食される危険は常にある、
その認識は必要なのかもしれない。
頭からバリバリ食われる訳じゃなくても
面白半分に命が奪われる事がある、
そしてどんな動物でも大人以上に
捕食者に狙われるのは子供で
本来ならそれらから子供を守る為に
子育て中の雌はイライラカリカリする訳だが
捕食者の存在を排除しまくった結果
それが子供に向かって
子供と大人に距離が出来てしまった、
そんな弊害もある気もするんだけど
ニュースで聞く限り
登下校などホントに日常に於いて
多くの事件事故は起きているようで
自分の子供から目を離さない、
多くの親はそのつもりでいても
ほんの数秒で何かが起きたり
常に横にいられる時期が過ぎれば
なかなかそうも言っていられない。
加害者側の親だって
加害者になるべくして育てた
……訳ではないんだと思う。
考えたらキリがないし
安全への抑止が過剰になると余計に
生活がしにくくなるから本末転倒だし
そもそもニュースで報じられる事件ってのは
必ずしも他人事ではなく
被害者の親になる可能性も
加害者の親になる可能性も
いずれも全てゼロではなく
子供が関与する犯罪の抑止は
大人に掛かっているのは事実。
朝みんな出て行って
夕方みんなが帰ってきて
再び家族が揃う、
寿命が来るまでこの繰り返しが
ずっと続けばいいと思うのです。