近所に、「千石自慢ラーメン」という有名店があります。
背脂系っていうんですかね、美味しいラーメン屋です。
席に着くと、二種のコショウが目に入ります。
それを見て、こんな会話が始まります。
奥さん 「ヒトはいつまで、黒コショウと白コショウの使い分けに悩むつもり?」
わたし 「その境界、はっきり聞いたことないね」
奥さん 「そんな苦悩は、もうこりごりよ」
わたし 「ホウレンソウの炒めなら?」
奥さん 「ひとくくりにはできないわ。味付けがしょうゆなら黒、塩なら白」
わたし 「うぐぅ」
奥さん 「ただ・・・一般的にしょうゆなら黒、塩なら白とは言えるのかもね」
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家に戻って、山と渓谷社「スパイス完全ガイド」を開きます。
こんな記述がありました・・・「毎日の料理用に、黒コショウと白コショウを混ぜて使うとよい」
奥さん 「ヒトよ悩むな・・・そういうこと?」
わたし 「もはや一度悩んじまった。見て見ぬフリはできないさ」
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わたし 「肉のソテーは、黒だよね。バターのニオイがそうさせるのか」
奥さん 「ホワイトソースに白ってのも、けっこうな定説よ」
わたし 「しょうゆも黒っぽいし、肉の焦げも黒っぽい。料理にどれだけ黒を感じるかで判断、てのは?」
奥さん 「チーズに合うのは、黒だわよ」
わたし 「うぐぅ」
奥さん 「やっぱり、香りかしらね。ホワイトソースとチーズだと、原料が同じ生乳でも扱いが違うわ」
わたし 「しょうゆにバターにチーズねえ・・・酒と同じくどれも発酵してるから、香りがたつってことだよね」
奥さん 「ならば話は簡単ね。料理にどれだけ発酵の影感じるか、それで判断しなさいよ」
奥さん 「どこまで影を感じるか――そこに個性が出るわよね」
わたし 「期待してるよ、その個性」
奥さん 「実はうちには、黒コショウしかないのよね」
わたし 「食卓に、いつでも発酵飲料あるからな」
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昼から飲む酒、こりゃうまい。
