懐かしの鶴丸747-100型機 クラッシックジャンボ 羽田⇒ホノルル初就航仮想搭乗記 | Luxury Travel Blog

懐かしの鶴丸747-100型機 クラッシックジャンボ 羽田⇒ホノルル初就航仮想搭乗記

今では存在しないJAL747-100型機が1970年7月1日 羽田からホノルルに向けて運行した様子を

管理人も利用した事の無い仮想搭乗記なるものを作成しました。


今回は管理人の特別な思い入れで特に航空機に興味ない方には能書きが多くなり

面白くない内容かもしれません。

またボリュームもブログの域を超えております。

そんな方も出来れば画像だけでもご覧戴き当時の様子をお感じ戴ければ幸いです。

一部当時の資料で使っている呼び名、文字を引用しております。

尚横長な小さい画像はクリックすることで大きな画面をご覧戴けます。

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2010年7月、日本航空がボーイング747型機(747-100)を導入して丸40年が経過しました。
そして2011年2月には日本航空から747型機(747-400)が定期路線から完全撤退の予定です。

管理人の年代は747イコール、ジャンボ機に特別な思い入れがあります。
特に古き良き時代の飛行機旅行に対して憧れの様な気持ちを管理人は抱いてしまいます。

日本でもそうですが海外でも書店をめぐり古い時代のエアライナー雑誌を探しますが、
どれも外観機材の写真を中心にしたものが殆どで、管理人が望む昔のキャビンを特集した書籍に巡りあえたのは僅か数冊程度です。

2010年5月JAL747-400型機を管理人が利用した際、何時ものキャビン紹介に数枚、
昔の747画像を掲載できないかを日本航空に問い合わせし
1970年ジャンボ機、初就航時の広報資料を閲覧させて戴く事となりました。
資料を拝見した処、思っていた以上に当時の貴重な写真を拝見させて戴きました。

そこで思い切って管理人も搭乗経験の無い、昔の仮想搭乗記なるものを作成したいと思い立ちました。

勿論日本航空広報課ご担当様の使用承諾は得ております。
日本航空提供の資料を補完する形で、イカロス出版発行の書籍からも一部掲載しております。
今回管理人が画像使用したイカロス出版の書籍は今回日本航空広報課から閲覧させて戴いた資料のバージョン違いに当る物になります。
従ってどちらもモデルが同じで違和感無く多くの画像を紹介できる結果となり、
仮想搭乗可能なレベルと判断し今回作成した次第です。

今回の作成にあたり貴重な資料を閲覧及び画像の使用許可を戴きました、日本航空広報ご担当様、イカロス出版編集者ご担当様に改めてお礼申し上げます。
イカロス出版書籍は、イカロスMOOK JALB747 メモリアル・フォトブック及び月刊エアライン2007/7号より掲載させて戴きました。

当時の画像はそれぞれの会社に帰属いたしますが、二次利用防止の意味を込めスタンプを記しております。

又一部の画像は敢えてスタンプを記しておりません。
画像の2次利用は固くお控え戴く様宜しくお願いします。

それでは管理人も経験したこと無い1970年7月1日羽田からホノルル行きのJAL72便を皆さんとご一緒したく思います。

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ボーイング747導入前のJALの主力機と云えばダグラスDC-8シリーズ。
JALにとって初めてのジェット旅客機導入となりました。
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当時の世界的な航空業界リーダーである、
パンアメリカン航空は(結果的に)DC-8より
早く発売されたボーイング707を路線就航したのが1958年10月の事でした。
当時パンナムの最重要路線は大西洋路線であった為、初就航は欧州路線となりました。


パンナムの大西洋線ジェット化への意気込みの理由として、
当時の英国海外航空がDH.106コメットの商用運行して久しいにも関わらず
結果的にパンナムはジェット旅客機を手に入れられなかった事が考えられます。

JALは1950年代初頭、英国や米国はこぞってジェット化への布石として
ジェト旅客機を発注しておりましたが、JALはジェット化へ慎重な考えを持っておりました。
数年後JALもジェット化を進む事が決まりDH.106は発注しましたが
度重なる事故で耐空証明も取消され発注はご破算となりました。

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結局JALのDC-8はパンナムが太平洋線でボーイング707でジェット化した
11ヵ月後の1960年8月に路線就航させました。
JALはダグラス社へ少しでも納期を早める様かなり粘り強い交渉の末実現した納期だそうです。

その様な苦い経験があったからこそ、ボーイング747の発注は躊躇せず対応しました。
お陰でパンナムの747大西洋線初就航から僅か約6ヵ月後にJALも747を就航させる事が出来ました。

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他社に遅れを取る訳には行かなかったJALですが、今までのDC-8とは比べ物にならない巨人機。

果たして旅客及び貨物共に採算が取れるのだろうか?
と云う心配は何もJALに限ったわけでなく、
多くの航空会社がパンナムには負けられない事情が747を発注させたのは事実でしょう。

そこでJALはエコノミー座席を通常3-4-3の横10席の座席配置を3-4-2の横9列配置を採用
ファースト40名エコノミー321名の合計361名定員のゆとりのキャビンを採用しました。

この頃モノクラスの標準座席数が490席だそうなのでそのゆとりがご理解戴けるでしょうか?
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その後日本の経済成長や発着枠が制限される日本の事情で当初の心配など掻き消す様に航空需要が高まり
JALは747シリーズ世界最大保有会社となりました。


1970年7月1日初就航した当時の747は現在とは比べ様が無いほど性能が劣っておりました。
当時は羽田~ホノルル~ロサンゼルス(当時は毎日ではありません)を飛んでおりましたが

偏西風の関係で酷いときは羽田~ホノルル間さへノンストップで飛べない事も在ったそうです。

その後エンジンを交換するなどの措置を取り、後に発売される747-200Bと共に
初期型747もJALの屋台骨を支えて行きました。

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747就航にあわせ機体デザインも一新しました。
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コックピットの計器類も今から考えるとクラッシックそのもの。
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キャビンの紹介です。
ファーストクラス定員40名、エコノミイクラス定員321名の合計361名定員のキャビンです。

キャビンは大きく4つに分割され、1番ドア前後のファーストキャビンを【藤】
2番ドア~3番ドアのエコノミイキャビンを【橘】
3番ドア~4番ドアのエコノミイキャビンを【松】
4番ドア~5番ドアのエコノミイキャビンを【紅葉】の愛称で呼んでおり、
当時はそれこそ紅葉の間などとも呼んでいたとか。

ファーストの1番ドアより前方Aキャビンが7列もあります。
但し最前列の独り掛け座席は非販売座席で2列目旅客と対面可能な回転椅子となっております。

国内線でAキャビンを普通席で運用する際8列の配置なので当時のファースト座席は現在と比べると
相当狭い配列であったことが想像できます。
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1番ドア後方もファーストクラスは続き、ラセン階段直後からギャレーを配置しておりますので、
最終列まで2-2の配列です。

因みにファーストクラス直後の3-3-3座席はクルーレストとなります。
当時は現在と違って屋根裏や床下にクルーレストを設けるアイデアは実現してなかった様です。

当時のエコノミイ座席は3-4-2と現在より1席少ない配列のお陰で、
各座席はかなりゆったりした幅が特長でした。

747就航後大量輸送時代の幕開けとなり、団体ツアー客が増えたのもこの頃からです。
そこで普通運賃個人旅客と団体旅客をゾーンで分ける事を目的とする為、
エコノミイキャビン最前方の【橘】を普通運賃個人旅客専用キャビンとして団体旅客と差別化を図りました。

その後どんどん発展して行き現在のビジネスクラスの原形となりました。

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747就航にあわせスチュワーデス用に新調した森英恵さんデザインの制服。

パイロット及び男性乗務員の制服は石津謙介さんがデザインしたそうです。

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当時の羽田ではまだまだ珍しかったボーディングブリッジからの出発です。
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出発

1970年7月1日JL72便が羽田からホノルルへ向けて出発しました。

翌2日からは羽田~ホノルル~ロサンゼルスへ52便として出発しました。

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搭乗

和装スチュワーデスの笑顔で歓迎をうけ、各自指定された座席に向います。

初めて747を利用する旅客は皆キャビンの横方向、縦方向総てが今まで経験したことの無い広さに
驚いた事でしょう。
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今では米系など一部の会社でしか採用していない各航空会社オリジナルのチケット入れが懐かしい。


当時の頭上物入れは天井一杯までスペースを設けていない為、現在より容量が少なくなります。
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和のキャビン内装と和装のスチュワーデス。
古き良き時代の象徴です。

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藤(ファーストクラスキャビン)
離陸前の藤キャビン。

当時ビジネスクラスはまだ設定されておりません。
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機内食

古き良き時代のファーストクラス機内食の特長であった大皿料理の数々。

見た目の演出に圧倒されてしまいます。

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こちらの画像で1食目のミールサービスのほぼ総てが揃っているかと思われます。

前から順に前菜
主菜の魚
付け合せと主菜の肉
スープ、チーズ、果物

アイテムの総てがワゴンサービスでの切り分け若しくは取り分けスタイルです。

元来機内食は工業製品です。
当時の技術力故付け合わせが現在に比べるとかなりチープな印象です。
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テーブルにクロスを敷きテーブルウェアをセッティング。

様々なお酒をカートに載せ一人ずつ好みに応じたサービスを提供して行きます。

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アペリティフと前菜機内晩餐の始まりです。
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旅客の目の前で丁寧に切り分けした後その場で盛付し料理を振舞います。

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2列目座席利用者は非販売座席の1列目にゲストを呼んで対面で食事や談笑が愉しめる特別な座席です。
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楽しい時間がゆったりと流れて行きます。
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機内食サービスも一段落。そろそろ機内バーの利用可能となります。

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バーカウンターの周りは小さな社交場になっておりました。

「当時は旅客も客室乗務員もゆったりとした時間を機内で過ごしていましたが、現在は世知辛くなってしまった。」と兼高かおる女史のコラムを以前拝見した事を思い出します。

画像はあくまでもJALの演出であり実際の光景では在りませんが、恐らくご覧の様な
笑いの絶えないゆったりとした時間が機内では流れて行ったものと想像されます。

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当時は勿論個人モニターなど備わっておりませんが前方のスクリーンは現在よりかなり大きかった様です。

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ラセン階段を上るともう一つの社交場ラウンジが在ります。
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機内ラウンジ

ラセン階段上るとそこはファースト旅客のみ利用出来るラウンジが在ります。

当時の航空会社はJALに限らずアッパーデッキをラウンジとして開放する航空会社は多かったようです。

JALは先代のDC-8キャビン前方に同じくファーストラウンジを機内に設けておりました。

内容は畳敷きに窓は障子。
洋風ソファーを置き、ソファーのファブリックはなんと西陣織。

そのノウハウを生かしてDC-8とは比べものにならない広さを誇る747アッパーデッキに日本庭園を
イメージしたラウンジを完成させました。
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ラウンジ後方に加山又造画伯の壁画が飾られラウンジの雰囲気をより一層華やかにさせます。
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12名程度の定員でしょうか?
天井カーブがアッパーデッキに居る事を感じさせます。

飲み物やカナッペは随時サービスされます。

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飲物、カナッペは1階から運びます。

日本酒も当然用意在り、お酌もします。

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1階のバー同様こちらでも楽しい時間がゆっくりと流れて行きます。
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エコノミイクラスは3つにキャビンが分かれておりそれぞれに名前を付け【橘】【松】【紅葉】と呼んでおりました。

資料上の画像の殆どが橘で撮影したキャビンだと考えられますが演出上3つのキャビンに分けて紹介致します。
当時の実際のキャビンは壁面パネルが各キャビンの名称に沿ったデザインが施されていると考えられます。
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橘(エコノミイクラスキャビン)

2番ドア~3番ドアのエコノミイキャビンを【橘】の愛称で呼んでおりました。

当時のエコノミイ座席は3-4-2と現在より1席少ない配列のお陰で、
各座席はかなりゆったりした幅が特長でした。

747就航後大量輸送時代の幕開けとなり、団体ツアー客が増えたのもこの頃からです。
そこで普通運賃個人旅客と団体旅客をゾーンで分ける事を目的とする為、
エコノミイキャビン最前方の【橘】を普通運賃個人旅客専用キャビンとして団体旅客と差別化を図りました。

その後どんどん発展して行き現在のビジネスクラスの原形となりました。
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現在より横が1席少ないお陰で幅にゆとりを持たせた座席。4人掛け座席中央の肘掛はダブルタイプ。
更にスクリーン前の座席の為足元スペースも広々しております。
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当時の頭上物入れは天井一杯にスペースを設けなかった事をお感じ戴けますか?
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松(エコノミイクラスキャビン)
3番ドア~4番ドアのエコノミイキャビンを【松】の愛称で呼んでおりました。
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中央の4列シート中央がダブルで肘掛を装着しているお陰で隣との間隔が現在と比べ物にならないほど

余裕があることをお感じいただけますか?

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当時はスクリーンを見れない座席用の小さなテレビなどは装備無かったようです。

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紅葉(エコノミイクラスキャビン)
4番ドア~5番ドアのエコノミイキャビンを【紅葉】の愛称で呼んでおりました。
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当時はエコノミイでも陶器の湯呑でサービスしているようです。
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免税品販売も中身を見せる工夫がなされております。

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機内備え付けの折り紙で遊ぶ子供たち。(藤キャビンで撮影したようです。)

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各々目的地までの楽しい時間が過ぎて行きます。

ながながとご覧戴き有難う御座います。

日本において国際線の長く輝かしい歴史を刻んだ会社は日本航空しか在りません。

これからもこの国際線の歴史を絶やす事無く更なる国際線の歴史を刻んで欲しいと心から管理人は希望します。

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今回日本航空から提供を受けた、本旅行記のオリジナル資料を併せて公開したかったのですが当時の紙面の雰囲気を表現するにはファイル画面を大きくする必要がありこちらでは紹介が困難です。



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