そしあす証券(東京都中央区)と武蔵証券(埼玉県熊谷市)が合併し、さいたま市大宮区に本社を構え、むさし証券が今年5月に誕生した。小高富士夫社長に、新会社にかける抱負と経営方針を聞いた。

 --合併で県内最大の証券会社となった

 「埼玉県全域と東京、川崎、横浜、大阪をカバーし、合計20店舗となった。このうち埼玉県内が13店舗で、証券会社では県内トップの数だ。地域密着型の証券会社を心がけ、社名も親しみやすく覚えやすいように『むさし証券』とした」

 --どんな会社を目指すか

 「顧客が資産運用などで安心して相談でき、地元に必要とされ、地域の人々に愛される会社に育てたい。それには地域貢献も大事だ。すでに埼玉県社会福祉協議会に福祉車両の寄付などを行っているが、今後も埼玉県に地盤を築く企業としてファンドなどを通じて地域貢献をしていきたい。経営面では、対面取引のほか、インターネット取引、ディーリング(自己取引)の収益三本柱を育て、成長性を確保する。特に、インターネット取引と埼玉県内の対面取引では圧倒的な存在感を出したい」

 --尊敬する人物は

 「ウォーレン・バフェット氏(世界的投資家)が憧れの的だ。彼は、安心して株を持てる企業を応援し、自らも株主として育てた。その姿勢を見習って、むさし証券も社会に役立つ商品を開発したい」

 --投資先として注目している業種は

 「農業だ。日本の野菜、コメ、乳製品は人口13億の中国で人気があるように、輸出品目としても魅力がある。また、日本の工業技術はいうまでもなくすばらしい。中国をはじめグローバルにものづくりを展開している企業は伸びる」(佐伯浩明)

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【プロフィル】小高富士夫

 こだか・ふじお 駒沢大学法卒。1979年山文証券(現むさし証券)入社。2006年取締役常務執行役員、08年から現職。54歳。栃木県出身。

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【会社概要】むさし証券

 ▽本店=さいたま市大宮区桜木町4の333の13

 ▽資本金=50億円

 ▽従業員=367人 (2010年5月)



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