ドアを開けた向こうにマイケルが立っていた。
ルクスはギョッとしながら周りを見回す。「誰もいないようだな』
「まったく…」
「女の子の部屋に入るのってとっても久しぶりなんだ」
「僕は、女の子じゃないっていつも言ってるだろ?』
「あれ?このクマ・・・?」
マイケルは、少しくたびれたようなテディベアを見つけた。
「あ・・・」ルクスは戸惑った。
「このクマは、よく知ってるよ。
「・・・・へーそうなんだ」ルクスは無表情に言う。
「慰問、たくさん行ったと思うけど、
「全員覚えてはいないけど・・このクマはちょっと特別で、
「ふ〜ん」
「10年以上まえだけどだけど、児童養護施設に行ったとき、
「・・・・・」
「そしたら、その子話せなかったはずなのに一言『(大天使)
すごく嬉しかったな。その子の事はよく覚えているよ。
マイケルは、ルクスの顔をじっと眺める。
「そう、君みたいな綺麗な瞳だった。君みたいな・・金髪で・・・
ルクスは、
「・・・・あの後、
「あの時の奨学金は君が出してくれたんだろ?」
「あの時の子が君なのか?」マイケルは目を丸くしている。
「君にはちゃんとお礼を言えてなかった。
ルクスは照れたようにお辞儀した。
「すごい!奇跡みたいだね!
「だから!」
「え?」マイケルはキョトンとした。
「だから今度は、僕が君に恩返しをしたいんだ。」
「え?」
「君は、窓から手を振るだけで数千人の人を呼ぶ力がある。
「けど?」
「君の力を利用すれば巨大な金が動く。」
「・・・・」
「君は自分の力では自分の行動を制御できなくなっている。
「そんなこと・・・」
「君は、黄金の卵をうむ金のガチョウだよ。
「・・・・」
「イソップの金のガチョウの話は知っているよね。
「僕が金のガチョウ?」
「そう。君は歌って手を降れば金が集まる。
「何が言いたいの?」
「君が働きやすいように、
「・・・そんな・・」
「
「
「あ、だから君が、僕の主治医に担当することになったんだ」
「そうだよ。誰も君の健康なんて守ってくれない。僕は、
「僕の健康・・・」
「君は仕事で死ぬのは本望って言ってたけど、
「・・・・」
「僕は、長生きできるように君の健康を取り戻したいんだ」
ルクスの真剣なエメラルドのような深い緑の瞳をマイケルはずっと
「今晩、なんか無性に君に会いたかった。君にあえて良かったよ。
「そうだよ。体が資本って昔から言うだろ?
マイケルはクスっと笑った。
ルクスは少し怒りながら「僕の話聞いてる?」
「ああごめん。そのクマ片時も離さずにいてくれたんだね。
やっぱりクスクス笑いが止まらない。
「もう!もっと真剣に考えて!」
マイケルはそんなルクスを見てニコッと笑い「やっぱり君はかわいい女の子だね」という。
「だから僕はちゃんとした女の子じゃないってば!」
「本当に君は可愛いいよ」
「もう帰れよ!」
「やだ。もっと君と話がしたいんだもん」
「僕はしたくない」
「えー?先生はカウンセラーでもあるんでしょ?」
「都合のいい時だけ先生扱いしないでっ」
そうルクスに言われたマイケルはその日いつまでもとても嬉しそう