1998年、私がアメリカに来た時代は、まだスマホもなく、インターネットも一般家庭では普及していない時代。
一週間に一度、国際電話で母と話をしていたのを思い出します。
その時、母がこんなことを言ったことがありました。
「今度時間がある時でいいから、あなたの家の周りがどんな風景なのか、写真でも絵でもいいから送ってくれると嬉しいわ」
まだ23歳だった私は、自分の生活に必死で、なんでそんなものが見たいんだろう?と軽く流してしまいました。
写真を送る余裕もなく、そのまま時が過ぎていきました。
あれから長い年月が経ち、私自身も親になり、少しずつ自立していく息子のことを遠くから見守るようになりました。
でも今は、スマホやGPSがあるおかげで、息子の位置を確認できるだけでも安心できます(ストーカーっぽくならないように気をつけてるけど。笑)
今朝、少し雪が降り、息子が無事に学校に着いたのをスマホでチェックして、ほっと胸をなで下ろしました。
そんな時、ふとあの時の母の言葉を思い出しました。
「どんな風景なのか送ってほしい」
それは、遠く離れているからこそ、私の生活を少しでも身近に感じたいという母の気持ちだったんだ。。。
今ではスマホがあるから、遠く離れていても顔を見ながら話ができる。
雪の日の白く覆われた道路や、息子の笑顔をリアルタイムで伝えることができます。
こんな時代に感謝しながら、同時に、あの頃の母の気持ちに寄り添えていなかった自分を少しだけ悔やむのです。
親になって分かること。
時代が変わっても変わらない親の思い。
それを今、少しずつですが息子に伝えていけたらと思います。
そして、会いたい時に会いたい人に会う、それが出来る自分でいつづけたい。