では実際にそれが機能するかが問題になる訳ですが、これにはいくつかの要素が関係してくると思います。
それにはまずバルサのチーム全体のコンディションがベストではないということ。
いきなりそんなことかと言われそうですが、今のバルサを倒すにはバルサのコンディションがいいと非常に難しいのでこれはまず必須条件かなと思います。
実際これは相手からするとどうすることもできない要素ですが、前節に限って言えば代表ウィーク明けで、バルサは例年このリーグ再開こ時期を苦手としているのは有名な話です。昨年も代表ウィーク明けにあたる第2節で昇格組のエルクレス相手にホームで0-2で敗れています。代表戦明けというのは、多くの選手は長距離移動を行った後で疲れが溜まるだけでなく、普段とは違う戦術で数日間戦うわけですからコンディションを作り直すのは容易いことではないはずです。
そして次の要因はチーム全体がその戦術を理解•共有でき犠牲を厭わないチームであること。更にはそれを全員に理解させることのできる監督がいることです。
中盤を厚くするということは当然DF陣にとっては通常より高い位置でのプレーを求められるわけですから、そこでのラインコントロールは戦術の理解•共有があってこそ初めて機能するはずでしょうし、全線からのプレッシングも必要となればFW陣にも本職ではない守備を求めることとなるわけですから選手も当然フラストレーションが溜まります。そこをどう自己犠牲の精神をもってしてチームに貢献させることが出来るかが監督の手腕というものだと思うのです。
そしてやっぱり何よりも大きいのがメッシを抑えること、メッシに仕事をさせないことです。
ハッキリいって今のバルサは史上最強と言われていますが、それはメッシありき(もちろんシャビやイニエスタが同時期に存在していることもその理由ですが)で、メッシがいるのといないのとではチームとしての格が一段階変わるくらいです。
実際ビジャは「バルサとスペイン代表の違いはメッシがいるかいないかだ」とチームにおけるメッシの存在の大きさを認めています。また、スペイン代表の攻撃陣がその他の国の脅威とさほど変わらないのはメッシの存在がないからでしょう。むしろ個々としてみた時アルゼンチン代表のFW陣のほうがスペイン代表のそれよりも遥かに脅威を感じてしまうくらいです。
ただ簡単にメッシを抑えろと言っていますが、言うは易し行うは難しとはまさにこのことでそんなこと簡単にできたら苦労はしていないです。
しかしまた嫌なことにメッシを抑えるヒントが徐々に見えてきたように思うのです。
それは"アンカー的ポジションの選手をひとり作りひたすらバイタルエリアを消す"ということです。これです。R•ソシエダ戦では見る限りフォーメーションが4-1-4-1のようになっていましたが、このディフェンス前の"1"がミソです。このプレーヤーがバイタルに張る、どちらかというとゾーンでいいと思いますが、そのことでバルサの攻撃の起点を摘むことがある程度は可能になるように思います。どの試合を観てても思うのですが、バルサは中を固められると外でパスを回し相手を誘い出そうとします。時には外から切り込みはしますが、数としては中を使うほうが多いです。0トップを敷くのも恐らくそれが理由でメッシが流動的に左右に動くことでバイタルを空ける→そこに両WGが流れ込む→マークを外す→パスコースが見つかる。これがバルサの得意な得点パターンですが、今回のR•ソシエダ戦も最近のレアルもバイタルが殆ど消えています。そもそもバイタルエリアを空けることは非常に危険を伴いますから普通それなりのケアはします。どこのチームも。ただその徹底ぶりで言えばこの両者は大変よかったと思います。
ボールホルダーへの前プレスや高めのラインコントロールが中盤の厚みを増しそれがバイタルのケアに繋がっていきます。
僕なりの考察をやってみましたがどうでしょうか。
一昔前まではバルサのような非常に強力な相手に対してよほど攻撃的なサッカーをクラブのカラーとしているチームを除いてはドン引き作戦がよく採られていた気がしますが、その中でうまく機能したのは唯一モウ率いるインテルが昨年のCL準決勝2nd.legで見せた時くらいじゃないでしょうか。
それでは戦えないと判断した多くのチームはモウレアルの戦い方をヒントにして、それまでの中盤をあまり意識しない戦術から中盤をおもいっきり意識した戦い方にシフトしたように思います。
こうした中で今後ペップがどのようにして戦っていくのか楽しみです。
次回はミラン戦について触れられたらなと思います。