お伽話 三 | Soulmate

Soulmate

汝、愛されたければこそ、愛せよ。

$ソウルメイト



カナリアの囀り。



「お前、手振り目ぶりしながらよくしゃべるなぁ」


「沈黙が怖いの・・」


「少しは、黙っていられないのか?」


「だって、縛られるのはじめてなんだもの・・」


「縛らないよ」


「えっ?」


「後ろに腕組んで、そこに座って」


「こう?」


「腕は、そのまま動かしてはいけないよ」


「・・・わかった」



沈黙。



「手を封じ込めただけで、とたんにしゃべらなくなったな」


「・・・・・」


「まるで、鳴かないカナリヤだな」


「・・・・・」


「もっと、封じ込めてやろう。ほら」


「目隠し・・何も見えない。怖い」


「口開けて。ほら」



コロン。



「冷たい。氷?」


「ここに手があるから、出して」


「プッ」


「これから、私の問いにすべて<いいえ>で応えるように」


「・・・はい」


「違うでしょ。いいえ」



氷。首すじ。


「ひっ。い・いいえ・・」


「よろしい。よくしゃべっていたのは、自分に自信がないから?」


「いいえ」


「ほう。自信があるんだ。すごいね」


「いいえ」


「どっちなんだい? 優柔不断だね?」


「いいえ。ひっ」



氷。胸の先。



「何も見えなくて、怖いだろ?」


「・・いいえ」


「この氷、口にふくんで」



溶けた氷。口から流れだす。



「そんなに、だらだら垂らして・・お前、淫乱かい?」


「うぐ。いいえ・・」


「うそでしょ? ここ、こんなに濡らして、おもらしかい?」


「い・いえ」


「感じている。でしょ?」


「い・・はい」



カナリヤが、ふたたび囀りだした。







縛らず師 一夜目 完全版をどなたでも読んでいただけるようにしました。

少しは読める作品に、なったと思っています。

はじめての方も、連載時に読んでいただいた方も読んでいただければ幸いです。


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<前夜> はじめての方はこちらからどうぞ 
<一夜目 あらすじ>
<二夜目 あらすじ>


引き続き、二夜目、三夜目と完全版を製作中です。お楽しみに。

新作も構想中です。