
カナリアの囀り。
「お前、手振り目ぶりしながらよくしゃべるなぁ」
「沈黙が怖いの・・」
「少しは、黙っていられないのか?」
「だって、縛られるのはじめてなんだもの・・」
「縛らないよ」
「えっ?」
「後ろに腕組んで、そこに座って」
「こう?」
「腕は、そのまま動かしてはいけないよ」
「・・・わかった」
沈黙。
「手を封じ込めただけで、とたんにしゃべらなくなったな」
「・・・・・」
「まるで、鳴かないカナリヤだな」
「・・・・・」
「もっと、封じ込めてやろう。ほら」
「目隠し・・何も見えない。怖い」
「口開けて。ほら」
コロン。
「冷たい。氷?」
「ここに手があるから、出して」
「プッ」
「これから、私の問いにすべて<いいえ>で応えるように」
「・・・はい」
「違うでしょ。いいえ」
氷。首すじ。
「ひっ。い・いいえ・・」
「よろしい。よくしゃべっていたのは、自分に自信がないから?」
「いいえ」
「ほう。自信があるんだ。すごいね」
「いいえ」
「どっちなんだい? 優柔不断だね?」
「いいえ。ひっ」
氷。胸の先。
「何も見えなくて、怖いだろ?」
「・・いいえ」
「この氷、口にふくんで」
溶けた氷。口から流れだす。
「そんなに、だらだら垂らして・・お前、淫乱かい?」
「うぐ。いいえ・・」
「うそでしょ? ここ、こんなに濡らして、おもらしかい?」
「い・いえ」
「感じている。でしょ?」
「い・・はい」
カナリヤが、ふたたび囀りだした。
縛らず師 一夜目 完全版をどなたでも読んでいただけるようにしました。
少しは読める作品に、なったと思っています。
はじめての方も、連載時に読んでいただいた方も読んでいただければ幸いです。
縛らず師 一夜目 完全版はコチラ↓
>>縛らず師 一夜目 完全版
連載時の公開済みのものはコチラ↓
<前夜> はじめての方はこちらからどうぞ
<一夜目 あらすじ>
<二夜目 あらすじ>
引き続き、二夜目、三夜目と完全版を製作中です。お楽しみに。
新作も構想中です。