少し酔いがまわって
少しもどかしい気持ちを胸に感じて
僕は部屋に戻った
ゆっくり押したはずなのに
思いのほか勢いよく灯りのスイッチがパチンと響き
ため息にに似た
一息をついた
部屋のテーブルの上に目が行き
前夜、写真の整理をやりかけのままだったことを思い出しす
写真の整理なんて面白いのはやり始めの数十分だけで
あとは
右から左に移すだけの果てしない単純作業に変わる
しかも
途中で見入ってしまったりするから
なかなかはかどらない
古い写真は
4年前のものまであった
4年前から現在近くまでの
色んな場所で色んな顔をした自分や他人を眺めていたら
四六時中
あぁだ、こうだと不平を言ったり
死ぬの生きるのと大騒ぎをしたりしてきた割には、
結構僕という人間はずっと元気に生きて来たのだなぁ
なんて気がして
なんだか可笑しくなった
写真というモノは
人の光る瞬間を、とりわけ上手にとらえるものなのかな…
そんなひとりごとがポロッと出る
4年間のそんな【瞬間】の羅列は
なんとなく階段に似ているな
とも思った
居酒屋から出たとき
僕は
大げさにジャケットの襟をなおしながら歩く
【そいつ】に言ったんだ
彼女の話、もうちょっと聞いてみろよ
けど、
そいつは口の中でモゴモゴやりながら言った
なげぇ話…聞くの…あんま苦手だしよ…
おまえバカじゃねぇのか
と、いう言葉はかろうじて飲み込んだ
かわりに
かわらねぇな
っとだけ、言った
そんなついさっきの事を思い出しながら
整理するのを放棄した写真を
まとめて箱に詰める
ただ、
整理を放棄した写真を詰める時
そいつの恋も終わってしまうのかな…
なんて居心地が悪い思いをした
それから二、三週間たって
【たまたま】僕は街でそいつを見たと言う目撃談を聞いたんだ
えらく楽しそうに
彼女と腕を組んで歩いていたらしい
僕は、想像し安心と嬉しさで笑った反面
あんなに心配して
なんかすごい損した
なんて、思ってみたりもした
この二、三週間で
そいつも階段を一つずつ昇っていたんだ
そいつのアルバムに
また光る時が増えるのだろうと
考えた
同時に
僕もまた帰ったら
途中で放り投げた
写真をアルバムに入れていくなんて面倒な作業を再開するかな
なんて
晴れやかな気分になったんだ