ラ・ラ・ラ Lie -③ | ひとつ前のかどはさよならサヨナラ



それは
ドキドキから変化し
自分の想いの中で葛藤する
ときめきのような
痛みの予兆だった


好きになるって
痛い事なのかって思った


銀の匙は
本当に、何度も何度も読み返した
大好きな本だった


よく借りてったでしょ
何度も借りてくから
そんなに面白いのーって思って
私も気になったんだ
読んだらハマったぁ

微笑みながら言う
そのコを見て

自分が借りていく本を覚えていてくれた
それだけでも嬉しかったのに
好きな本にも共感をしめしてくれた事に
胸が躍った


その後は
ずっと本の話で盛り上がった

僕は自分の読書量をひそかに自慢していたけど
読んでもない世界がいくらでもあるのだと


痛感させられた


偏りすぎた読書をしてきたのかな?
とも思った


でも、そんな事を感じながらも
顔は笑っていたんだ


話し途中で
そのコが言った


そんな風に笑うんだね


僕はとても恥ずかしくなって
また黙ってしまった

何かしゃべんなきゃ
って頭でわかっていてもね
黙ってしまった

今思い出しても
シッカリしろって
自分で自分の頭を殴りたくなってしまうよ


後方から声がする

焼きそば食べようよ

一緒にきた友達たちの声だった

うん
焼きそば食べよう

僕が返事して先に立ち上がる
土手の斜面で
横にいたそのコを見下ろす


その時
初めて、ちゃんとそのコの姿をしっかり見たのかもしれない


あぁ私服だ…って思った

私服を見た事が
また恥ずかしくなった

焼きそば食べよう


僕は言葉と一緒に
手を差し伸べて
彼女が僕の手をとり
引き上げ立ち上がらせる


体温が伝わる


そして土手を上がった

僕の気分も上がる



続く→