僕はどうして逢いにきた
部屋の前まで来てから一歩が出なかった
同情か
心配?知りもしないこの子を?
僕の方が教官よりよっぽど『悪』なのかも知れない
腑抜け一名出来上がりの瞬間だった
考えはじめたら余計先に進めななくなって
引き返えそうと考えた
今更ながら
『死』というものにまともに向かおとしてこなかった自分の臆病さを知った
ふと、こんな気持ちであの子はいっぱいなのかと立ち止まり考えた
…やっぱりほっとけない
僕は僕の手で彼女の様な子を作り出しているんだ
ちゃんと見ろと思った
部屋にもう一度向かい
部屋の前で
『すみません入っていいですか?』
と声を出す
はっはい!?
ちょっと驚いた声が返ってきた
部屋のカーテンを越えた
女の子がベッドに座っていた
写真よりも女性になり
やせてはいたけど
大きな瞳にドキッとしたそんな第一印象だった
女の子の前に僕は立った
真っ白な部屋で向きあった
びっくりした顔を向けられて戸惑い
僕は絵が廊下から見えたからなんて
いくつも壁にかけられた絵を指差しながら
言い訳をした
彼女の一言目が忘れられない
続く