世の中は別れに満ち々々て。
それは例えば、恋の終わりや、愛の終わりやも。
それは例えば、友との別れや、親との別れやも。
けれど世の中はいつだって、いつだって別れに満ち々々て。
それは時に華やかに、それは時に蕭やかに、
それは時に哀しく、それは時に有難く。
けれど別れはいつだって、どんなものだって寂寞で。
出会いは別れの始まりと、人は口を開けばそう言うけれど。
別れは出会いの始まりと、人は口を開けばそう言うけれど。
別れなんてない方が良いのです。
嗚呼、本当に別れなんてない方が良いのです。
それは一つの失恋であったりと。
それは一つの悶着であったりと。
それは一つの転居であったりと。
それは一つの死別であったりと。
別れには、それぞれにそれぞれの理由があるもので。
まっことやむごとなき理由があるもので。
一方的な加害者なんぞ居りはせず、
一方的な被害者なんぞも居りはせず、
ただただそこには別れだけが、別れだけがあるばかりで。
どうのこうのと喚いてみても、それはどうしようもないのです。
嗚呼、本当にもうどうしようもないのです。
だからこそ哀しいのです。
だからこそやるせないのです。
なればと、人と深く関わることを避けれども、
なればと、誰に恋することをやめれども、
人を希う心が邪魔をするのです。
そんな謀を嘲笑うかのごとく、人を希う心が邪魔をするのです。
そうして独りを知れば知るほどに、誰かを希ってしまうのです。
けれども、さりとて、しかれども、そうして独りを知るが故に、
誰かを沁沁と、沁沁と強く希えるのでしょうか。
私はまっことどうしようもない輩です。
嗚呼、本当にどうしようもない輩です。
それでも前を向いて歩くより、
歩くより他に、もうどうしようもないのですから。