誰かを幸せにする事なんてできやしない。

そもそも何を以って幸せかなんて誰にも言い得ないものをして
これが貴方の幸せだなんて、誰にも言い得ない。

幸せは自らが形を与えるものであって
誰かに形を与えられるものでは在り得ない。

幸せは移ろい行くものであって
自らが幸せである事を認めない限り永遠に幸せなど訪れない。


僕に出来る事は応援と幾ばくかの助力でしかなく
僕には誰かを幸せにする事なんてできやしない。

最後は自分で幸せになるしかないんだよ。
いつまでも変わらぬ千古不磨なる恋と謳うも
そんなものは偽りの上に願いを重ねたものにしか過ぎない。

しかして例えその本質が瞞しであるのだとしても
憧憬を抱きつ願いを幾重にも織り重ねた刹那、

其は永遠の誓い。

斯くして其は、言霊。
人を好きになる切欠は在ったとしても
人を好きでいる理由にはならない。

其れは、心に問いかけるほどに混迷を極め、
ただ恋しいと謂う想いばかりが只そこに在るばかりで。

恋情を心に抱き秘め続けるつぎ穂はあれど、
其れ其のものを愛しいと想う訳柄にするや
忽ちにその心緒は陳腐と成り果て
其処にあるはただ相手に求めるばかりの業。

切欠は切欠でしか在り得ず。
例え切欠が失われようとも恋慕の念は些かも潰えない。


だったら、好きってなんですか?
恋しいってなんですか?

僕にはわからない。
誰か教えてください、僕にはわからないのです。

けれども、確かに其処には恋しいと謂う想いだけがあるのです。