「嘘だろ...」「嘘でしょ...」
賑やかな木ノ葉に、悲痛な男女の声。
ここで今さっきまでやっていた、ババ抜き大会での罰ゲームの内容についてだ。
下位3人は罰ゲームを受けなければならない。
しかも内容も他のメンバーに決められる上に、くじ引きなため、無駄なスリルがある。
そして今回、下位3人になってしまったのは
キバ・いの・テンテンである。
それぞれの内容は、順番に
《ネジの髪の毛に触り、ヘアアレンジする》
《ネジに買い物に行かせる》
《ネジに奢らせる》
と、今日は昼過ぎまで任務のためいなかった少年の名前が載っている。
そして、もうすぐ帰ってくる時間でもある。
「ちなみに、前の人が戦闘不能になった場合、次の人に回るんで⭐」
「なにそれ!!キバがだめだったら、あたしがアレンジして買い物行かせるの!?あたしもだめだったら、テンテンさんヤバいじゃない!」
「最下位になったのは、あたしだからねぇ。まぁ、二人が頑張ってくれればいいのよ」
ネジの姿が見えたら、実行者が行き
他の人は見守ることになっている。
「ネジ兄さんが来ました!」
ヒナタも、いつになく乗り気である。
「ヘアアレンジなんかできねぇよ...」
ぶつぶついいながら、キバはそっとネジの所へ行き、髪に触ろうとした。
しかし、
「何をしている」
黒いオーラをだしながら、後ろにいるキバに問う。
「えっと~、ヘアアレンジでもしようかな~て...あはは...」
手と髪は、数センチの距離を保ったまま。
次の瞬間、キバが吹っ飛ぶまでは。
「キバアウトー!サクラちゃん、治療頼むってばよ」
「はいはい」
ネジがいなくなってから、みんな次々と出てくる。
「キバのバカーー!!!あたし確実に死ぬって!!」
「まぁ、めんどくせぇけどがんばれ。墓参りは毎日いってやるから」
シカマルがさらっと酷いことを言ったが、いのは気付かず「うん」と頷いた。
「はぁ...。買い物って何よ。ヘアアレンジって何よ、バカキバ。」
どんよりとネジが歩いていった方へ行く。
目的の人物を見つけた時の、後ろからの視線が痛い。
「あの、ネジ...さん...」
「何だ」
明らかな不機嫌オーラを纏って答える。
「かか、買い物に頼まれて欲しい...んです...が...」
「悪いが他を当たってくれ」
いのが言い終わるか終わらないかの内に即答。
答えた瞬間には、ネジの姿はなかった。
「・・・何よ!だからあたしは、あいつが苦手なのよ」
「いの豚ーー!なにやってんのよ!
テンテンさんが大変じゃない!!」
「うっさいデコデコ!そりゃテンテンさんには悪いことしたけど、ここはあたしの無事を、喜ぶ所じゃない!?」
ギャーギャーと、終わりの見えない言い争いを始める二人。
をほっといて、皆テンテンの元へ行く。
「ネジ兄さんは、一楽のある通りを歩いてます」
ヒナタが白眼を発動して言う。
「じゃあ、みんな行くか!!シカマル、あの二人止めてくれ」
めんどくせぇとぼやきながらも、ちゃんと止めるシカマルだった。
「行ってくる~」
「テンテン頑張るってばよ~」
数々の声援を受けている間に、ネジの姿が見えた。
「ネジ~」
テンテンが、語尾に音符でも付きそうな言い方で呼ぶ。
「テンテンか」
今までのオーラなんか、微塵も感じさせない。
「あのね、甘栗甘に新作団子がでたんだけど...」
ネジは一度溜め息を吐き
「何が良いんだ」
と、答えた。
「桜団子~」
と、極上の笑みで言った。
「ここで待ってろ、買ってくるから」
「ありがとう、ネジ!」
お礼を言われた少年は、無言で甘栗甘の方へ歩いていった。
「すげぇってばよ、テンテン!!」
「さすがテンテンです!!」
「ふふ、これで奢りと買い物はクリアでしょ」
そういうテンテンは、小悪魔のような笑顔だった。
「ほら、もうすぐネジ帰ってくるから」
と言った後に、ヒナタが「本当だ...」と呟いたので、慌てて戻った。
「ほら、団子」
「ありがとー♪ネジも食べよう」
「俺はいい」
いいなからテンテン横に座る。
「ネジ、ちょっとあっち向いて」
言われたまま、テンテンの逆の方を向く。
「何してるんだ」
「んー、ヘアアレンジ」
彼女の手が髪に触ると、さすがに問うが、特に抵抗もしなかった。
しばらくして
「出来たっ!」
と声がしたとき、彼は隣の彼女とおそろいの髪型だったという。
そして、キバといのからは、そろって「ひいきだ!」と、不満の声があがった。