こんばんは。ルッタですニコニコ

 

化学の計算 その6です。

計算は一旦これで最後にしますかね。

また、そのうち応用編でも書きます。

 

今回は、前回書いた記事について例題で説明してみます。

例題として取り上げるのは、大阪星光学院2018年の大問3です。

一部省略及び改変しています。

 

問題

ある気体に含まれる成分の量を調べるために、次のような実験をしましました。以下の問いに答えなさい。

 

実験① 水素に十分な量の酸素を加えて燃焼させたところ、用意した水素は全て反応し、水蒸気のみ発生した。(結果①)

実験② 気体AおよびBに、実験①と同様に十分な量の酸素を加えて燃焼させたところ、用意した気体は全て反応し、水蒸気と気体Cが発生した。(結果②A、②B)

なお、気体A、Bはともに「炭素」と「水素」の成分のみからできていることがわかっている。

 

下の表は、実験①、②における結果をまとめたものです。

ただし、実験①、②ともに、燃焼後、水蒸気、気体C以外に発生した気体はありませんでした。また、燃焼前の気体の重さの和と、燃焼後の気体の重さの和は等しいものとします。

 

 

問1 実験①において、水0.1gと反応した酸素は何gですか。

 

解答

単なる質量保存の法則の問題ですね。

水素+酸素→水蒸気

0.1g               0.9g

 

左辺と右辺それぞれの合計が同じなので、答えは0.9 - 0.1 = 0.8g。

 

問2 水蒸気は「水素」と「酸素」の成分からできています。問1の答えを参考にして、水に含まれる「水素」と「酸素」の重さの比を、簡単な整数比で答えなさい。

 

解答

水素0.1gと酸素0.8gが反応して水が0.9g生じるので、

水素:酸素 = 0.1 : 0.8 = 1 : 8

 

問3 気体Cは「炭素」と「酸素」の成分からできています。問2の答えと結果②Aを参考にして、気体Cに含まれる「炭素」と「酸素」の重さの比を、簡単な整数比で答えなさい。

 

解答

まずは実験②Aの結果をまとめます。

 

気体A+酸素→水蒸気+気体C

0.4g                0.9g       1.1g

となりますので、質量保存の法則から、酸素の重さは1.6gとなります。

また、問2の結果から水蒸気0.9gに含まれる酸素の重さは0.8gとなるため、

気体Cに含まれる酸素の重さは、1.6 - 0.8 = 0.8gです。

 

レゴブロックを想像してもらえれば、イメージは湧くと思います。

 

気体C1.1gは炭素と酸素からできていて、今酸素は0.8gあるわけですから、炭素の重さは

1.1 - 0.8 = 0.3gとなります。

よって、炭素:酸素 = 0.3 : 0.8 = 3 : 8 となります。

 

問4 気体A、B(ともに「炭素」と「水素」の成分からできている)には、等しい重さの水素が含まれています。この時、気体Aに含まれる「炭素」と気体Bに含まれる「炭素」の重さの比を、簡単な整数比で答えなさい。

 

解答

結局は、まずは実験結果をまとめる作業からってことは変わりません。

 

気体B+酸素→水蒸気+気体C

0.55g              0.9g

 

ここで、問1より、水蒸気0.9g中には水素0.1g酸素0.8gが含まれています。

設問より、気体Bに含まれる水素は0.1gとなるため、

気体Bに含まれる炭素の重さは0.55 - 0.1 = 0.45gとなります。

 

よって、気体A中の炭素:気体B中の炭素 = 0.3 : 0.45 = 2 : 3となります。

 

問5 気体Bに十分な量の酸素を加えて燃焼させた時に発生する気体Cの重さは何gですか。

 

解答

問4の結果から、気体Bに含まれる炭素の重さは0.45gです。

また、炭素+酸素→気体Cであり、問3の結果から、炭素と酸素の重さの比が3 : 11であることから、気体Bに含まれる炭素0.45gから生じる気体Cの重さを⬜︎gとすると、

0.45 : ⬜︎ = 3 : 11

つまり、⬜︎ = 0.45 X 11 ÷ 3 = 1.65gとなります。

 

問題はまだ続きますが、このぐらいにしておきます。

この先は、ドルトンの原子説に絡んだ問題ですね。

まずはここまでの問題を完璧に理解することが先決だと思います。

 

私見にはなりますが、大阪星光学院の問題は、超難問が少なくきっちり理解して勉強を進めれば、しっかり点数に反映される良問が多いと感じています。

そのため、入試では高得点勝負になり易いかなとも思います。

所謂奇問も少ない感じですね。

私はこの学校の問題好きなんですよね。前から。

 

 

質量保存の法則を題材にした問題の場合、丁寧にまとめていく作業さえできるようになればそれほど難しくありません。

算数にも共通することではありますが、この手の問題は、しっかりと状況を確認しながら、図とか表にまとめる作業をいかに丁寧にできるかにかかっています。

比を使うとはいえ、計算としては簡単なものですので、如何にそこに持ち込めるか次第です。ここをすっ飛ばして、計算のテクニックみたいなのに走ってしまうと、結局化学は得意にはなり難いです。

 

化学の計算に関しても、まだまだ先はあるわけですが、その1からその6をしっかりマスターするだけでも、結構できるようになります。

後は定性試験関係の問題をしっかり解けるように知識と経験を積めば、化学は得意範囲になってくると思います。

前にも書きましたが、基本的に理科は裏切りません。

一度得意にしてしまえば、安定して点数を確保できるようになります。

 

次は、定性試験について少し書いてみたいと思います。

どの程度の前段階の知識が必要で、どう使うのか。その辺りについて少し書くつもりです。

 

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