何か欲しいものない?

う~~~~ん

 

 

届いたのは・・・・

こんなの、、、私の耳でいいのか、、、

 

申し訳ないような気分なほど

CDラックにある、あらゆるジャンルのものを聴き直す

流れてくる音の響きに圧倒された

 

折しも、フジコ・ヘミングのドキュメンタリー録画を観ていた

そうだ!

 

手持ちの2枚組を聴き直した

1曲目の「カンパネラ」

1973年イイノホールライヴ録音のもの

部屋中に鐘の音が回っていた

こんなCDだったのか‥‥

聴く機器によって、こんなにも違うものなのか・・・

 

 

TV画面の最後の彼女の姿は、

ちゃんと紅をひき舞台人としての姿になっていた

あれだけの高さの階段から転げ落ち大けがを負ったが

手は無傷

 

知り合いのミュージシャンが言う

~きっと、とっさに手をかばったのではないか、、、

 丸くなって、背中から落ちたのではないか、そんなきがする~と、、、

 

そうか、、、

 

すでに耳も聞こえず、目もほとんど見えず

それでも

ピアノは彼女を奮い立たせていた

 

この春にカンパネラへの旅をするはずだったという

相棒のバイオリニストの響きが画面から、切なく流れてきていた

 

残念に尽きることではあるけれど

口惜しさは在ったろうとは思うけれど

 

フジコさん

信仰を持ち、神の右に坐したまえり

 

きっと

彼女は神の祝福のうちに

喜びの中で逝ったのだと

私はそう思う

 

 

 

 

まるで生き物が走るように、指先が鍵盤の上を走り回る

彼女の姿を見たことがある

 

有楽町フォーラムホールでの演奏コンサート中

弾き始めてすぐに指を止め

~今はこれを弾く気分じゃなくなったの~と言いながら、別の曲を弾き始めた

あの大きなホールで、そんなことが出来る彼女がすさまじかった記憶がある

 

彼女はいつも言う

~間違えたっていいじゃない、機械じゃあるまいし…

 鍵盤の奥にあるもの、譜面の向こうにあるものを表現しなければ…~

 

 

 

自室での音を浴びる日々

 

新たな音に会える