久々に目黒のスタジオに…

移住して1年、

あらゆるものの見える景色が様々に変わってくる中で

スタジオはどんな風に見えてくるのか、、

少しドキドキしながら…

 

ここだけは十数年前に出会った時のまんまだ

ホッとする

 

主の誕生日も?!祝い気分も抱えて参上

有難くも噂に聞いていた女優のなっちさん!こと南さんにも

お会いできて、お互いの共通の分野について花が咲いた

スタジオご夫婦は声をかけてくださったらしい~~

女優さんを堅持しながらお孫まで…

その上地域の子育て支援等々に力を注いでおられる、、

感服然り・・・今は、7月の弁天しあた公演の準備中

何とか馳せ参ぜねばと…

コペルニクスの地球にやさしい音作り (seesaa.net)

 

お山に帰る時間も迫りバタバタしながら立ち去る

お土産に袋の中には、かつての忘れ物諸々と

「浜士の塩」が!!

スタジオは、、奥能登とはUFO時代から、芸術祭など今日までも

お付き合いが深いと聞いている

 なんと貴重な・・・

伝統を支え続けた浜士「登谷良一さん」

今回、命を奪われたことを耳にしていた

塩田を守り抜くと・・・後に続く力強い言葉も

 

有難く、涙が出てくる

 

今回は、様々な想いを込めてこの絵本をお届けします

 

 

「あさいち」

 桜も散り、あたりは眩しい緑がいっぱいの季節になりました。新しいことも次々に訪れてワクワクすることがたくさん待っているのも芽吹きの日々のはじまりです。そんな中、元旦に起こった能登半島地震の衝撃はまだまだ脳裏に深く刻まれています。季節の巡る速さとは逆に、遅々と進まない復興の現実も伝わってきます。あの活気ある輪島の朝市通りを、もう一度伝えることが、忘れないことが、復興の一つの力にも繋がるのではないかと願い、「あさいち」をお届けします。

 

 おらたちの うみや。

あれがななつじま、あっちが へぐらじま。

とうちゃんと あんちゃんの ふねが けえってくる。

そこびきあみで、ずわいがに ふり、たらに たこを いっぺえ とってな。

 

おらちの はたけは ゆきのした。みずなも ねぎも ゆきをかきわけて ほる。

あしのさきから ちびてえぞ。

 

うみのもんは うみで とれたものを、やまのもんは やまで とれたものを、

リヤカーに つんで、にどらに しょって まちまで はこぶ。

 

 ふでさん おはようさん。あれ のぶちゃん、けさも さむいねえ。

 

あさいちどおりは みせが ぼちぼち ならんどる。まいにち みせをだずばしょは 

きまっとる。

ビニールいちまい ひろげただけの みせもある。ぼうで くんで、テントをはった

みせもある。 みんな まずは みちの ゆきかきから。 

 

こうてくだー。あかがれい いらんけ。こもちやぞ。

こうてくだ、こうてくだ。ぶりと かにと たこと いか。とれたてやぞ。

ふぐ いらんけ。まふぐ、さめふぐ、きんふぐ、どくの つよいほど うまいげね。

あずき どうえ。  ほんとの じねんじょやぞ。   はなは どうですか。

まけとくさけ こうてくだし。かおり まつたけ、あじ しめじ。しめじは いらんけー。

みずなでも ねぎでも いらんけ。ゆきのしたから とってきたげね。

 

かいそう、こぬかいわし、いかのしおから、つるしがき・・・・

  どらやき いらんけー。もう こんだけしか のこっとらんぞー。

  しまいもんやさけ おおまけに まけとくわ。

  こうてくだー。

 

 2024年4月1日「あさいち」が復刊されました。

初版は1980年1月1日 「かがくのとも」発行とあります。その44年後の1月1日に地震による大火災で朝市通りが焼失してしまうなどと、誰も想像もできないことです。

この絵本は記憶がありました。そうだ!と思い、地震後に自宅の書棚の「かがくのとも」の中を探しましたが、見つかりませんでした。でも、今回復刊されて、出会うことが出来ました。あの懐かしい輪島の「あさいち」が絵本の中から飛び出してきます。

金沢に友人がいます。あの日すぐに連絡を入れました。幸い住宅などにも被害はなく無事であったものの、ライフラインが壊滅的であったので、道路の寸断などで親の施設に行くのに困難な状況や、水道管復旧が遅れ、日常の給水にも難儀なことを聞きました。そして、

輪島の朝市通りの惨状を思い、お互いに心を痛めました。

思い起こせば、大学生の頃、朝市通りに行ったことがありました。あまりに愉しくて舞い上がってしまって…財布を落としてしまったのです。泣きそうになりながら、通りを行ったり来たりして、探し回りました。そんな記憶の中に、当時の朝市のじいちゃん、ばあちゃんたちが心配して、かけてくれた言葉が今も鮮やかに蘇ります。

ここでは、ほんの少ししかお伝えしていませんが、ぜひ手に取って見ていただきたいと思います。あの日TVニュース画面に映る真っ黒こげになってしまった朝市通りには、どんな人々がどんな風に生きておられたのかが、目の前に浮かぶように見えてきます。人々の息遣いや空気感、手のひらの温かさ、潮の香、風の音、雪の冷たさまで伝わってきます。

最後のページの絵の中に「塩徳屋漆器店」の看板があります。このお店は、実際の老舗の輪島塗の店です。NHK朝ドラ「まれ」の中にも出ています。主人公を演じた、「土屋太鳳」さんをイメージした輪島塗のペンダントも制作され話題になりました。残念ながら、今回の震災で、「塩徳屋漆器店」も焼失してしまいました。でも、三代目さんは命を奪われることはありませませんでした。生き残った意味を考えながら、前を見て進むと語られています。

この絵本の利益は、令和6年能登半島震災義援金として、日本赤十字社に寄付されます。