イワシを焼く

頭をもぎって、ヒイラギに刺し玄関に飾る

41年ぶりの当地でのこの日も同じ作業で祭りの夜を待つ

 

かつての自宅には、ヒイラギの樹があった

節分とクリスマスリースとに活躍した樹だ

 

この地を離れてからは、こんな仕様のものをスーパーで探して

数十年がたつ

当地でも、スーパー3軒目で手に入った

 

Coronaを経て祭りも4年ぶりだという

 

意を決して出向く

 

 

賑やかだな

 

 

 

41年ぶりの大神宮の前は、長蛇の列になっていた

何の列だろう、、、、

どうも、お参りに並んでいるらしい

 

何だか、初詣みたいだな

 

昔はこんな様相はなかったな

鬼たちが普通にうろうろしている

 

私が子供の頃は、この鬼たちが、一軒一軒を訪ね歩き、乗り込んできたのだ

遥か向こうから、ウオーッと叫ぶ声が聞こえ

 

くるぞ、くるぞ、鬼が来る!

 

我ら兄弟はあちこちに逃げ惑い

炬燵の中に潜り込んだはいいが、顔だけ出ていた

なんてことが、あったり

 

ひとしきり鬼たちが暴れると、隠れていた母が出てきて、、

恐る恐るお布施を渡し、帰っていただく

そして、鬼たちは詰所に戻っていく

それが「節分」の風景だった

土足で上がり込んでくるので後方付けがなかなか大変だった記憶がある

 

どうも、今はそんな風習はないらしい

 

 

こんなのは、よく見る光景だ

 

~いい子か?ちゃんという事聞くか?~

鬼が言い寄る

 

~わあ、わあ、わあ、、、、ぐぐぐぐ、、、、うううう、

 うん、、、ぎぐ、、、ひっくひっく、、、わあ、わあ、、~

 

おかあさん、泣きわめく我が子にスマホを向けてニコニコ

 

まあ、撮りたい気持ちはわかるけどねえ

なおも、泣き続ける

 

そりゃ、必死だよね、、、連れていかれるかもしれない

怖かったろうなあ

 

 

 

 

鬼たちがこんなに・・・

昔はそんなに出てこなかったのになあ

もっと怖かった雰囲気があった

 

  

 

 巫女さんが豆まきをする

 

司会の女性がマイクで

~豆まきも佳境になってきました~~~○○議員さんの登場です!~~

 

議員?!

ふ~~~ん、ずいぶん変わったものだな

何チャラ県会議員とかいうのが、裃を着込んで

 

 

 

今はこんな風になっているのか

こんな掛け声はきいたことこともない

 

鬼たちは、地域の青年団や小中学生が担う小鬼もいる

かつて、わが弟も小鬼の役目を担ったことがあった

 

「鬼をやっつけろ!」などとは、、、、

 

片手に酒のカップを持ち、大声を出す女の声が

背後から聞こえ続けた

 

豆まきは神事

私の知る厳かさは微塵もなくなっていた

 

ほうほうの態で立ち去る

 甲州ダルマ

 

これも昔はなかったな・・・いつからだろうなあ

 熊手は一店舗のみ

こんなのを見るとホッとする

 

「節分」の三種の神器を探す

「がらがら」「かやあめ」「きりざんしょう」

 

あったのは… 「きりざんしょう」のみだった

 

不思議な味のするもちだ、昔はもっと細身だったような

ずいぶんとぶっといなあ~

 

 

子供の頃の一番の楽しみは「がらがら」だった

ネット検索する

そうそう、これこれ、、、

手のひらサイズから、抱えるほどの大きさのものまで各種あった

中のおもちゃを見るのが楽しみでワクワクしていたものだ

 

探したけど見つからなかったな、、、

 

「かやあめ」

これも、節分にはなくてはならないものだった

「きりざんしょう」を売っていた店に聞いてみた

 

~~出てないですね、、もう作る人がなくて、、もしかしたら

 次の祭り厄地蔵さんの祭りの時にでるかも、、、~~

 

厄地蔵さん、、これも聞き覚えのある名前だ

 

あるなら、また出向いてみよう

 

 

自宅に戻り、豆まき

福は内~~鬼は外~~

 

恥ずかしくなるくらい

静かなものだ…

 

どこからも聞こえてこないな

昔は、近所の家々から聞こえたものだった

「福は内~~~

 鬼は外~~~」

 

こうして、すっかり様変わりした「節分」の夜が終わった

 

様変わりしたことで、やっと

41年分を乗り越えられたのかもしれない

 

『お父さん、誕生日おめでとう』

 

やっと、言えた

 

今日2月4日は「立春」

 

春がやってくる