- 前ページ
- 次ページ
一人だともったいないかと思い
シャワーですませた
こないだ君が、
首元にシャワーを当てると、
身体全体が温まると
話していたのを思い出した
ふいにフラッシュバックした
君が僕の小さな家で、
小さな風呂場で、
凍えながら
シャワーを浴びていたこと
「寒い寒い」と
君は本気で震えていたから、
僕にはそれが
どこか可笑しかった
熱々のほうじ茶をいれたっけ
こたつの片っ方に、
ふたり一緒に寝転んで
何でもいいから
BGMをかけてって
朝はいつもの
パン屋にしようねって
変わらないのは、
コンビニでほんの少しだけ
わがまま言うとこ
僕等はもう、ふたりじゃない
けれど何故だろうね、
僕はずっとひとりなんだ
あれからずっと独りなんだ
それは悲しいからじゃない
寂しいだけさ
みんなで君を分け合ってるから
恋してるんだ、ずっと君に
だからほら、涙がでるよ
それからまた、
僕は首元にシャワーを当てた
その温もりで、ほんの少しだけ
気が紛れるように
その海原には地図もなく
羅針盤もなく
希望に導く
灯台の光さえ射さない
絶望といえばそうだろう
僕はその一艘の笹舟に
自ら乗り込んだのだ
行く当てなどない
小さな小舟だ
二組のオールはあるが
進んでいるのか
退がっているのか
それさえもわからない
二組…そう、君がいる
絶望で人は死なない
孤独によって人は死ぬのだ
長くなったけどわかるだろ?
つまりは君に言いたいのは
「ごめんよ、僕が馬鹿だった
そろそろ口をきいておくれよ」