「岸田自民党の敗北」が止まらない―。9日に投開票された栃木県鹿沼市長選で、自民、公明両党推薦の小林幹夫元県議会議長(70)が、立憲民主党県連幹事長を務めた松井正一元県議(58)に敗れたのだ。同県は茂木敏充幹事長の地元で、5月の岸田文雄首相の地元・広島県府中町長選に続き、自民党幹部の〝お膝元〟で連敗を喫した。岸田政権に対する国民の怒りは強烈だ。

岸田文雄首相

「自民党は(政治資金規正法改正案の)具体策をなかなか出さず、グズグズし、どんどん負け続けて今のところほとんど負け」「国民の皆さんの『政治不信』がいかに強いかということを表している」

公明党の山口那津男代表は9日、沖縄県議選の応援でこう演説した。自公与党を取り巻く情勢は厳しさを増している。

鹿沼市長選では「保守王国・栃木」の威信をかけ、自民党組織がフル稼働して懸命に浸透を図ってきた。

ある自民党関係者は「ともに無所属だったが、事実上の与野党対決だった。茂木幹事長の地元での敗北は、自民党政権への『ノー』だ。各地でそれぞれ事情があるにせよ、『岸田首相の顔では選挙は戦えない』という結論は、いよいよ固まってきた」と語る。