自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を巡り、与野党は12日、参院政治倫理審査会(政倫審)を14日に開き、安倍派の世耕弘成前参院幹事長と橋本聖子元五輪相、西田昌司氏の3人の審査を報道機関に公開して行うことで合意した。審査対象となっている自民参院議員ら32人のうち9割が審査を回避することとなり、実態解明がどれだけ進むのか見通せない。

記者団に参院政治倫理審査会に出席の意向を表明した橋本聖子氏=12日、国会で

 

 

 立憲民主党など野党4党は、政治資金収支報告書に不記載があった自民議員31人と、政治資金規正法違反罪で在宅起訴され、離党した大野泰正氏の計32人の審査を政倫審に申し立てた。12日を期限として出欠の意向を確認した結果、世耕氏ら3人が出席の意思を示した。

◆32人中、28人が…

 政倫審の与党側幹事を務める佐藤正久氏(自民)によると、32人のうち28人は欠席すると答え、森雅子氏は期限までに回答しなかったという。

 安倍派では、参院選の年に改選対象の議員にパーティー券の売り上げ全額をキックバック(還流)したとされる。また、2022年に一度廃止が決まった還流の再開を巡って、衆院政倫審では安倍派幹部の説明が食い違っており、3人の出席にとどまる参院政倫審で解明につながるかも焦点となっている。

 安倍派から受け取った2000万円超が不記載だったとして政治資金収支報告書を訂正した橋本氏は12日、国会内で記者団に「説明責任を果たしたい」と述べた。

◆下村博文氏は衆院政倫審に出席意向