自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件で、不記載が5年間で総額約13億5000万円もあった安倍派の幹部4人が出席した1日の衆院政治倫理審査会。いつ裏金づくりが始まり、なぜやめられなかったのか。国民が抱く不信と疑念に対し、4人は「反省」を口にしたが、詳細は「知らない」「存じ上げない」と異口同音に繰り返した。裏金を国会の議員事務所で保管して秘書の判断で支出していたのに、納税を否定するなど、国民感情を逆なでするような責任逃れの弁明が相次いだ

衆院政倫審に出席した(左から)西村康稔前経済産業相、塩谷立元文部科学相、高木毅前国対委員長、松野博一前官房長官(いずれも代表撮影、コラージュ)

 それならば、過去に派閥会長を務めた森喜朗元首相に確認すればいいのではないか。野党側から森氏に尋ねるよう求められたが「私が聞くと口裏を合わせたと言われかねない」(西村氏)と応じず、違法行為が長年、行われてきた実態は分からないままだった。

◆還流復活のいきさつも、うやむや

 もうひとつの大きな疑問は、かつて派閥会長だった安倍晋三元首相がノルマを超えたパーティー券収入の還流中止を決めたのに再開された経緯だ。