偽アトム | Lupin 孤高のブログ (Stand Alone)

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日に3度のめしが食えて 手足をゆっくり伸ばして寝られるベッドがある
昨日と変わらぬ今日が来て 今日と変わらぬ明日が来る
一杯のカップラ-メンで満たされる時 ・・  幸せ

 
先日 朝日新聞 「原発とメディア」 に 「偽アトム」 という記事が出ていました 




1978年3月 
「鉄腕アトム よみがえるジャングルの歌声」 という漫画雑誌がでた

― アフリカの動物たちが 原発を作りたいと アトムを頼り日本に来た
そこで アトムは 原発の仕組みを教え 無事アフリカで完成
その後 大地震や津波が来てもびくともしなかった ―

いかにも 胡散臭い雑誌だった
手塚プロダクションが発刊したものでも もちろん 手塚治虫が書いたものでもなかった
発行したのは 「漫画社」 という会社で 電気事業連合会や東北電力に 数千部納められた
当時の社長は 「事前了承はあったはず」 と言っている

「あの雑誌には困りました 手塚はすぐに配布は止めてほしい と求めました」 

と手塚プロの社長は 当時を振り返る

手塚自身は 「電気というものは 戦後復興 平和の象徴」 と考えていたが
反原発は 明言して 「あらゆる核エネルギーに反対」 と語っていた という

死後に出された エッセイ 「ガラスの地球を救え」 の中で

― 「鉄腕アトム」が 科学による繁栄を幸福に描いた作品 と誤解され 迷惑している
ひたすら進歩のみをめざして突っ走る科学技術が どんなに深い亀裂や歪みをもたらし
差別を生み 命あるものを傷つけて行くかを 描いたつもりだ ― 



という事が書かれていました

手塚先生 いまさら そう言われても ・ ・

アトムは 反面教師だったの

60年代 アトムで育った 少年達は誤解していたようです


当時は 原子の火を灯す事は 国策で それは 未来を照らす灯 

科学技術の進歩が 日本に薔薇色の未来を 約束する ように思えていました


私は 小学校の卒業アルバムの 寄せ書きで 突然 色紙を回されて 

なにを書いてよいのか分からず あろうことか 

「原子力」 などと 書いていました

アルバムが出来て なんだか 恥ずかしい思いをしました

しかし 当時の男の子の多くは 科学者になる事が 夢だったようです



「ガラスの地球を救え」 これは読んでいませんが

アマゾンのレビューを見る限り とくに "反原子力" に特記したものではないようです

生命の尊厳 や 文明社会の過度な進歩 から生まれる 様々な不条理 

に警鐘を鳴らす   

哲学書のような 印象です



時代とともに 物事に対する評価というのは まったく逆転する場合があります

手塚治虫先生 と アトムも その 時代 時代の "ブーム" に

大いに 利用されて来た 気もするのです


"とかく ブームというものには 気をつけな"


みゆきさんは 言っていました




手塚先生は iPS細胞の発明 にはどういう 感想を持つでしょうか




 

何事にも 必要以上の便利さは 人間を幸福にはしない
必要以上の便利さは 人間から 様々な モノを奪って行く
いったん 手に入れた便利さは もう 手放す事はできない


いつも思う事 なんです

手塚先生も そう仰っていたのですか