先般にお仕事のことのはじまりをお話ししましたとおり…
1989年にロックスター志望→音楽制作の道に転身しましたが…
その後、さらに私は芸能界のど真ん中に転職する事になるのです。
そのきっかけ…
それわ小説のような本当のお話なのですが…
時は1980年代後半…
最初に入った音楽制作会社は、超絶ウルトラスーパー有名な女性シンガーソングライターを見出した女性社長が経営する老舗音楽制作会社で…
超絶ウルトラスーパー有名な女性シンガーソングライターの有名な楽曲の著作権を扱う出版社でもあり…
制作部には所属アーティストや、有名ミュージシャンも多数在籍し、比較的純然と音楽を作るチームではあったのですが…
その作った音楽がメディアを通して世に流れ…
CDなどになって多くのユーザーの手に届く経緯は、やはり芸能・メディアの大きな河を渡ってゆくしか無いので…
私は自分が楽曲をプロデュース出来るようにするため、また、関わった楽曲が多くのメディアに取り上げられるようにする為…
当時からヒット曲のシルクロードであったCMタイアップをゲットする道程を選びました。
今でもそうですが、CMタイアップは情報が命です。
現在のようにネットなどカケラも無い時代、リサーチ会社が発行する専門情報誌でしか、各CMの音楽プロデューサーなどを把握する手立てはありません。
その専門誌は異常に高額で映画のパンフレット程度の厚さの情報で当時一冊¥12000-くらい…
当然、取れるかもわからないタイアップのために、会社は本を買ってくれません…
そこで、レコード会社のタイアップ担当に頼み込み…
朝、担当者が出社する前の時間、情報誌を読ませてもらうために忍び込ませてもらって情報をゲットし…
同じ大学の先輩である事が判明してから急に可愛がってくれるようになった、タイアップ担当からCMタイアップを取る方法と呼吸を教わり…
なんとか小さなタイアップを取る事が出来るようになって来ました。
今でも覚えている、その呼吸…
✳︎打ち合わせは15分で済ませる。
✳︎デモ出しの…すぐは1時間後、早めは今日中、いつでも良いは明日中
✳︎デモは通したい曲とどうでも良い曲を両方出す。
などでした…
今はどーなんでしょね(^◇^;)
そこそこCM音楽業界にも顔が効くようになった頃から、ちょこちょこと大手芸能プロダクションから引き抜きの声が掛かるようになって来ましたが…
その頃は担当アーティストを持って、そのアーティストを売るためにタイアップに奔走していたので、歯牙にも掛けずにおりました。
そんな折、大きなチャンスが訪れました。
超有名な国民的クイズ番組で流れる、そのスポンサーの企業CM60秒バージョンのCMをゲットしたのです。
当時「これはデカい!」と周囲にも喜ばれ、レコード会社を訪うと周囲のスタッフに「良くやった!」と声をかけられる程でした。
ところが…
CDのリリースを直前に控えたある日、打ち合わせのためレコード会社に行くと、今まで満面で迎えてくれていたスタッフのみなさんが、目も合わせてくれなくなりました…
???と立ち尽くしていると、先輩であるCMタイアップ担当のプロデューサーに腕を引っ張られて防音されている会議室に連れ込まれました。
そこで聞いたのは…
私の会社の女社長と、その大学の同級生であったレコード会社の本部長が、酒飲み話で賭けをしたと。
それは私の担当アーティストにタイアップを先に付けた方が勝ち…という…
私のタイアップ奔走を見て社長が持ちかけたものらしく…
その額、◯千万…
本部長もシャレのつもりで話していたのでしょうが…その女社長は業界でも有名なトリッキーな人で…
「約束は約束!」と請求書を突きつけたそうな…
本部長も半ばヤケにて、私の担当アーティストの宣伝費を支払いに当て…
「プロモーションはしなくて良い!」…
それで、レコード会社スタッフは私の社長にキレて目も合わせてくれなくなったそうな…
まっさかぁーΣ( ̄。 ̄ノ)ノ
そんなドラマみたいな…とか思いつつ…
会社に駆け戻り、社長に真偽を問いました。
すると…
「あんた、よくやったわよ。レコード売れて入ってくるお金より効率よくて全然よいわよ。ごくろうさん。」
( ´Д`)y━・~~
長ーいタバコ🚬吸いながら…
すげー…ドラマみてーだ…
( ゚д゚)ホントニアルンダコンナセカイ…
とか思いながら、数日後には辞表を叩きつけ、再三オファーのあった大手芸能プロダクションに行く事にした私でした。
レコーディングがしたくて業界になんとか滑り込みましたが…
…自分が好きなように音楽を作るには、自分が作るという理由が必要だという事がわかり…
そのためには楽曲制作だけでなくヒットに向けた座組自体を作らなければならず…
さらなるプロモーションの修行の気持ちで次の会社に挑む事にしました。
その次の会社では、武道館コンサートまで仕切ることになるのですが…
それはまた別な機会に。