Fender Blues juniorのレストア&モディファイ後、プリ管12AX7のセッティングとバイアス調整で悩んでおりました。
…神よ…
レストア時に交換した真空管はすべて手持ちの使用頻度の高いものだったので、好みの管を少し集めて見ようっと。
ここまでのチェックで好みの真空管ブランド:Groove Tubesにはロシア製の-R、スロバキア製の-S、中国製の-C、ビンテージ管ムラードのリィシュー-Mなどの種類がありますが、昔ながらのロシア製-Rとスロバキア製-Sで悩んだので、その辺りを中心に数本、オークションやフリマサイトで集めてみました。
-Rが生産中止なので…新品は望めず…
猫の尻が見切れてますが…(^◇^;)
まず、手持ちの
①12AX7-Rと買っておいた②12AX7-S
この2本はすでにチェックしてますが、-Sの乾いたサウンドにも惹かれていました。
-RはFenderのアンプらしい、超高域が分離して鳴るような、ベルトーンが魅力っす。
ただ、今の-R管だとちょっと音にコシがなく…
さて、新たに購入したのは…
また猫が狙ってます…f^_^;
Fenderロゴと12AX7ダブル表記で裏面に 7025/12AX7WA MADE IN RUSSIA SOVTEKと薄く印字されています。
12AX7-WAという型番なのか?
made in ロシアだから12AX7-Rなのか?
興味津々で購入
SOVTEK製のGroove Tubes ③12AX7-WA
上とのペアで届いたのはFender表記のみのもの
もう!猫が倒しに来たので焦ってブレちゃった。
真っ当な12AX7-Rが欲しくて買ったこちら
⑤新12AX7-R
⑤とペアで届いた
12AX7-R2
公式サイトから12AX7-R2の説明
Rシリーズの真空管の中で長めのプレートを持ち、低域をぐっと太めにして且つ明るめなトーンが特徴のR2管です。アンプが少し暗めと感じた時にこの真空管を入れると明るめのサウンドに仕上げてくれます。ロシア製。
これも試して見たかった!
以上、12AX7ラインナップ
①-R
②-S
③-WA
④Fender
⑤新-R
⑥R2
初段管に、この6本を順次試してみます!
あ、まずバイアス調整のドロップ電圧(適正値2.0〜2.4V)を測ってみると2.0Vを少し下回るくらい1.9Vとかにしていたつもりが、1.7Vくらいになっていましたので、2.1V弱に調整して進めました。
①-R:ベルトーンはキレイつつ、歪みがうまくまとわりつかなくて、ちょっと痩せた印象があります。
Active PGで計測してもらったところ使用可能な測定値ギリギリの7/7だったので真空管自体に元気がないのか…?
②-Sに変えてみると、一気に元気になりつつ、ソリッドな音質で乾いた歪みになります。
すごい良いですが、アンプ自体変わったかのよう…
③-WA MADE IN RUSSIA SOVTEK製はどんな感じか楽しみでした…
うーん…-Rのベルトーンもありつつ、ちょっと粗めの歪みが中域より下目にまとわりつく感じ…
ハイは抜けつつ音色の印象は少し暗めのブリティッシュな感じかな…
まぁSOVTEK的な音なのでしょう。
これも好きです!
④Fender これが多分初期のBlues juniorのデフォルトなんでは無いだろうか?
どこ製かはわかりませんが、音のアプローチが全く違うので、中国製か…
ハイはコンピーで、ミッドローが太い感じ。
歪みもありますが、ハイ方向に抜けないので、ちとチープな印象でした。
あまり好きじゃない…
⑤新-R 元気な-Rを求めて購入しましたが…
やっぱ全然良い!
やはり私のストックの-Rはヘロヘーロだったようです。
-Rは元気な状態でも、低音の輪郭が硬めで全体に「コリン」としたアタック感があり、ピックアップの選定と調整はこの「コリン」を気持ちよく鳴らせる事を求めていたように思います。
トーンを少し絞ってレスポールなんかで10〜12フレットあたりの4〜6弦を弾くと、こもりながら抜けるたまらない音がします(´ω`)
⑥R2 低音太めつつ、明るい音質と説明がありましたが、私の印象ではハイ抜けは良いですが、柔らかい音質で、ちょっと色っぽい方向の管だと思います。
アーミングプレイとか気持ちよさそう。
低音の輪郭に関しては-Rとは対局的で、豊かな低音弦の響きです。
これはこれでよい…
やはり、私は⑤元気な-Rが好き!
なので、初段管は⑤GT 12AX7-Rの元気なのに決定!
さて、一番影響がある初段管を⑤にして、折角なので2番管、3番管も替えてみます!
2番管はトーンなどのプリアンプ部を経由した後のプリ管で、今までは線の細めなTANGSOLが付いていました。
まずこれをパワフルな②-Sに換えてみます。
…印象としては、初段管に干渉して、音圧は上がりますが、抜けが悪くなるような…
2番管は初段管よりパワフルじゃない方が良いのかな?
試しに初段管ではヘロって感じた①-Rをつけてみると、初段管の⑤新-Rの持ち味は消えず、TANGSOLよりスッキリした印象がありました。
さらに試しに③-WA、④Fender、⑥R2も試して見ましたが、音はキレイつつ大人しい①-Rが一番良かった!
なので、2番管は①12AX7-R旧にします!
さて、更に3番管、ここは別な7/7の-Rがついていました。
②-Sにしてみると…
おお…2番管のように初段管に「干渉」する感じは無いですが、2番管より音は変わるかも。
パワフルに歪む要素が出てきました。
勝手な感想ですが、2番管は初段管と直列的に音が混ざり干渉し合う印象(実際の回路で直列という意味じゃないですよ!)で、3番管は並列で別な音が同時に鳴るイメージでした。
なので、ここはハイ抜けが①新-Rに近しく、太めの中低音の③-WAがバッチリでした!
初段管:12AX7-R(新古)
2番管:12AX7-R(7/7)
3番管:12AX7WA
これが持ってる管での私のベストセッティングでした。
…まぁほぼGT12AX7-R系三本で、普通ですね
(^◇^;)
2番管にゲイン弱めを選ぶのが私的にはポイントと思いました。
管を換える度、バイアス調整は必要なので常にドロップ電圧2.07くらいで。
ようやく納得いくセッティングになりました!
…が!
全く目新しくも何ともない真空管セッティングに落ち着き…
長い旅をして来た…と振り返ったら近所の散歩だったような…
いや、大切なものはすぐ近くにあったという…アルケミスト的な結末とさせてくださいm(_ _)m
あ!決まったセッティングでの写真撮り忘れた…
ので、敗退した管たちのラインナップ写真
更に猫とのスリーショット
真空管の写真撮ってると必ず邪魔しに来ます。
もちろんこの後、倒されました。
…真空管ではまた紆余曲折しましたが…
レストアではノイズも減り、バランス良く小音量でも快適な音になりました。
Active PG川井様!
ありがとうございました!
あ〜気持ち良い音…(´ω`)