Gibsonのブリッジシステム、TOMのテイルピース


みなさんはどうセッティングしているのでしょう?


昔は気にせず、ベタ付けでした。

レスポール80はファインチューン付きのテイルピースを使ってましたし…



その昔、レスポール80をしばらく貸し出す時があり、ノーマルテイルピースに戻して渡したのですが、返って来た時、貸し出したギタリストのセッティングになっていたのですが、テイルピースがかなり浮いていて、?と思ったのですが、そのまま弾いてみると、前より全然生鳴りがして、アンプに通した音が豊かになっていました。



あら、弦のテンションを調整するだけじゃ無いんだぁ…



ネットで拾った知識では…

下げればハリのある音、上げれば柔らかな音になる」

テールピースを高くすると、弦からサドルに加わる力が"弱く"なり、弦がサドルに"弱く"固定される事になるので、弦を弾いた時の弦の揺れ幅が少し広くなりサウンドに多く倍音が含まれるようになる。」

ベタ付けではブリッジから角度がついている状態で、ブリッジを下に抑えつける力が働いており、自然と弦を引っ張る力(テンション)がかかるので、キュッと締まった鳴りになる。反対にテールピースを浮かすとブリッジとの角度が並行に近づき、抑えつける力が弱まり、その分弾いた時に弦の振動がしっかりと伝わってくれるので、サステインがベタ付けの時によりしっかりする」などなど…


うーん、確かに!なお話でもありますが、ハッキリと科学的にメーカーから説明されてるようなものでは無さそうですね…


まぁ、自分の好きな音になれば良いのでいじり倒してみます!


以下は完全に個人の考察と感想ですが、異なるご意見、もしくは正解など伺えたら嬉しいです。

またあくまで現時点なので、今後変わったら読み返して恥ずかしがります\(//∇//)\



まず、ベタ付けではしっかりしたテンション感でアタックのスピードがある感じですが、ボディが鳴らず、倍音が少なく感じます。


ベタ付けから少し浮かした時点で倍音がふわっと上がり、低域中域が豊かになる感じがします。


先のネットからの知識で言うブリッジへかかる力の変化だけでなく、ベタ付けでスタッドポールがボディのスタッドのネジ穴にしっかり固定された状態とリリースされた状態の差が大きいのではないか?と私は思いました。


これはこのブログのIbanez AR-305の回でも触れていますが、ARのブリッジは、ABRと同じようにサムホイールで高さを調整した後、上からネジでブリッジをロックする仕組みになっているのですが、そのネジを絞めずに弾くと、ABRに近いような倍音が出るのですが、ネジを絞めると急に倍音が消えます。

それがARの音でもあるので、それで良いのですが…

ARブリッジのネジを外した状態

ネジで上から締めて通常営業。


と言うように「パーツが固定されると消える倍音がある」と思っています。


さてTOMのテイルピースではベタ付けから少し緩めると、ロックの解放で全体的に倍音成分が上がります。


テイルピースをさらに上げて行くと、低域、中域の倍音成分が減って行き、スッキリしながらアタックがペケペケして立ち上がりが悪い音に近づいて行くように感じました。


これはブリッジへ掛かる力とともに、スタッドポールとボディ(スタッドポールの穴)の接地面積と接地部分も関係がある気がしましたが…確かめる術もなく…


この範囲で「好きな音」を探します。


これは、レスポールよりもボディ鳴りの大きいセミアコでは、より顕著で、フルアコに近い胴鳴り中心のセッティングとブルース、ロック向きの立ち上がりの良いブライトな音がある程度調整出来ると思います。


色々やってみたところ、私的には1弦側を下げ目にし、低音が響き易いであろう6弦側を上げ目にセッティングすると、中域に粘りも出て、重すぎずブーミーにならず、好きな音に近づきます。


私のギターの現状のテイルピースセッティングをご紹介します。


まず、箱ギター

Gibson ES-339は買った時のベタ付けから6弦側を少しだけ上げた状態。

1弦側はベタ付けです。


この子は楽器店で選んだ時にも感じた通り、全体の鳴りが素直で嫌な倍音が少ない良い子で、ベタ付けでもとても豊かに鳴ります。


こちらはES-335 Memphis 1963

1弦側は少し浮かしたくらいですが、6弦側をかなり高く上げています。

私の好みの上ですが、6弦側を下げて行くと低音のボディ鳴り、ホール鳴りが大きくなってモコモコし、ブーミーに感じてしまいます。

この状態では相当スッキリしますが、十分な箱鳴りも得られています。


ちょっと変な感じもしますが、これが自分で試してみて、ベストなセッティングでした。


この変さが、今回の記事を書いた理由でもあります。誰か突っ込んでくれるかなと…


さて、レスポールは
Les Paul Historic Select
鳴りが硬めに響くからか、1弦側、6弦側とも同じくらい上げた状態がベストでした。


もう一つ、面白いセッティングがあって、レスポールスタンダードに選んだ超軽量のアルミテイルピースはスタッドに噛むフックの部分

ここね。


この部分の厚みが厚く、2本のスタッドポールの少しの高さの差で、キュッとロックされてしまいます。


これをロックする事で、アタックの速さと超高域の倍音が得られる事がわかり、ロックしたセッティングをしています。

この差でロックしています。

やはり6弦側を高くしています。


ES-335でもこれをやりたいのですが、フックの厚みが足りなく、また売っているテイルピースには、ここの厚みの記載されているものが無く…

 

またテイルピースをたくさん集めないと難しいかなぁ…


というように独自のセッティングですが、音の変化を楽しんでおります。


レスポールではテイルピースの高さ、ストラトではネックジョイントの4本のネジの締め具合…が生音のトーン、アタック、倍音、サスティーン、バイト感のコントロールが出来ると感じています。




完全に我流セッティングのお話ですが、調べてもあんまり良きセッティングがわからなかったので…



吠えよ!テイルピース!