空海を知る10 空白の時代~山野の修行① | 絵本作家 ふじもとのりこの「絵本がもっと楽しめる!絵本製作裏話」

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絵本に関わり、早や40年。
ママと子が一緒に楽しめる絵本を4冊、工作本も出版!
絵本作家しか知らない、絵本の創り方、絵の技法、親子で作るキッズアート大公開
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空海を知る10 
空白の時代~山野の修行①

大学寮から姿を消し、山林での修行生活に入ってしまってから、真魚の足取りは分からず、次に記録に出てくるのが、遣唐使の直前になります。

しかし、まずは奈良から和歌山の山岳修験道の場所を渡り歩きmのちの四国に渡ったとわずかな記録から分かりますので、そういう場所を見ていきます。

奈良の近くには、役行者が拓いたという、霊威ある修験道の山、金剛葛城山系があります。
真魚の時代には、もうすでに、山岳修験道のメッカでありました。

修験道は、縄文以前からの古神道にそのルーツがあります。

森羅万象に命や神霊が宿るとして、神の宿る山である神奈備(かむなび)や、神のよ依り代である磐座(いわくら)を、信仰しました。

そこに、山には神が住むという山岳信仰や、仏教、それに雑密(断片的に入ってきていた密教)が合わさって、修験道が出来上がっています。

日本各地の霊山を修行の場として、深山幽谷で厳しい修行をし、その功徳として「験力(げんりき)」を得て、衆生の救済を目指します。

この行をする人たちを修験者とか山伏と呼びました。
厳しい修行で命を落とす者もいましたが、修行をやり遂げた人たちには、神秘体験をし、不思議な験力を持つ者もいました。

空海もそういう人たちと出会い、話を聞き、共に修行をしたのではないでしょうか。