空海を知る5 空海の家族 | 絵本作家 ふじもとのりこの「絵本がもっと楽しめる!絵本製作裏話」

絵本作家 ふじもとのりこの「絵本がもっと楽しめる!絵本製作裏話」

絵本に関わり、早や40年。
ママと子が一緒に楽しめる絵本を4冊、工作本も出版!
絵本作家しか知らない、絵本の創り方、絵の技法、親子で作るキッズアート大公開
描いて、読んで、親子で絵本を10倍楽しもう♪

空海を知る5 空海の家族

弘法大師の一家で、名前が残っているのは、
 

父=佐伯直田公(さえきのあたいたぎみ)=善通(よしみち)

母=阿刀阿古屋(あとあこや)=玉依姫(たまよりひめ)
長男=鈴伎麻呂(すずきまろ)

次男=酒麻呂(さかまろ)
三男=魚主(うおぬし)
四男=眞魚(まお)=空海 *三男とも言われています
五男=真雅(しんが)

 

空海の上に、さらに姉が数人いたと考えられています。
さらに、弟の真雅(しんが)とは、20歳以上の年の差があったそうです。おそらく阿古屋(あこや)の他にも妻がいたのでしょう。

 

長兄の鈴伎麻呂8すずきまろ)から酒麻呂(さかまろ)と魚主(うおぬし)は官僚でした。だいたいくらいは中くらいで、まずますの家柄です。

 しかし佐伯家は、やはり中央官僚として上位に出世する人物を出したい、と思っていました。
空海の一族はそれをギリギリ狙えるインの地位にいたのです。

豊かな土地の農業と、おそらく貿易によって、裕福でしたから、朝廷の中央政界~権力に近づけたら、名誉だけでなく、利益や利権が狙えたのです。
 

家柄だけでは無理ですし、能力なら圧倒的にとびぬけていないと、朝廷でのし上がっていけません。

その期待の星が、真魚(まお)=空海だったのです。
驚異的な天才ぶりと霊威を幼少期から見せていた真魚は、一族の期待を背負っていました。

 

 さらにその才能に磨きをかけるために、母方の伯父であり、中央で活躍していた学者だった、阿刀宿禰大足(あとのすくねおおたり)のもとに預けられるのでした。

桓武天皇の皇子・伊予親王の教育係を勤めた人物で、阿古屋の兄または父だともいわれています。


阿刀家は、「宿祢(すくね)」の姓を持ち、河内国を本拠地にして、摂津国や泉国(すべて大阪府)に住んでいた一族です。

 朝廷が作った八色の姓(やくさのかばね)のうち、3番めに偉い「宿禰(すくね)」という姓を持つ名門で、朝廷に仕える知識人の家系です。