最澄を知る26 延暦寺東塔エリア① | 絵本作家 ふじもとのりこの「絵本がもっと楽しめる!絵本製作裏話」

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絵本に関わり、早や40年。
ママと子が一緒に楽しめる絵本を4冊、工作本も出版!
絵本作家しか知らない、絵本の創り方、絵の技法、親子で作るキッズアート大公開
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最澄を知る26 延暦寺東塔エリア①

それでは、比叡山の中心である、東塔エリアを見ていきます。
 
根本中堂(総本堂)

延暦寺では三塔即ち東塔・西塔・横川にそれぞれ中心となる仏堂があり、これを「中堂」と呼んでいますが、東塔の根本中堂はその最大の仏堂であり、延暦寺の総本堂となります。本尊は薬師如来です。
伝教大師ご自作の本尊薬師如来像の前には、1200年以上消えることなく「不滅の法灯」が灯り続けています。
これは、比叡山焼き討ちの時にも守り切られました。

油が絶たれてしまうと、この火は、はかなく消えてしまいます。
そこから「油断する」という言葉が生まれたということです。
 建物は国宝、廻廊は国重要文化財に指定されています。
 堂内は、手前から外陣(げじん)、中陣(ちゅうじん)、内陣(ないじん)に分かれていて、この3部構造が、幾度の焼失や復興の歴史でもあります。
 

珍しい構造で、仏様のいる内陣は、中陣より3メートルも低いのです。そのために、ご本尊と中陣にいる参拝者が同じ高さになります。

「仏凡一如(仏も人もひとつ)」~仏様の方が偉いのではなく、私たち一人ひとりも仏になることができるという最澄の教えを表しています。

 


 中陣には、格子天井に花の絵が200枚描かれていますが、全国の大名がお供え物として描かせたものです。
 
 
現在改修工事中です
788年、 伝教大師により「一乗止観院」が創建されました。
中央に薬師堂・北に文殊堂・南に経藏を備えていました。
 
823年 嵯峨天皇より延暦寺に寺号を賜り「根本中堂」と改称しました。
その後何回も災害に遭いましたが、復興の度に規模も大きくなりました。
現在の姿は、織田信長の焼き討ちのあと、徳川家光公の命で寛永19年(1642)に竣工したものです。
 国宝の根本中堂ならびに重要文化財の廻廊が平成28年度から約10年をかけ大改修されます。

 本堂の銅板葺き、廻廊のとち葺きを葺き直し、全体の塗装彩色の修理が主な内容となります。