「美しいものには力がある」 | 絵本作家 ふじもとのりこの「絵本がもっと楽しめる!絵本製作裏話」

絵本作家 ふじもとのりこの「絵本がもっと楽しめる!絵本製作裏話」

絵本に関わり、早や40年。
ママと子が一緒に楽しめる絵本を4冊、工作本も出版!
絵本作家しか知らない、絵本の創り方、絵の技法、親子で作るキッズアート大公開
描いて、読んで、親子で絵本を10倍楽しもう♪

一日一テーマをつれづれに。


人生には、どの人も、オリジナルのストーリーがある。

神様に神話があるように、人にも物がたりがある。
オムニバスにつづっていくと、大きな物語も見えるかしらん。
 

今日のテーマは

「美しいものには力がある」

 最近、はまっている本があって、その中の言葉です。
 
 そういえば、真善美の3つの徳の、究極は「美」だそうです。
本物の「美」は、他のふたつを含んでいるから。
 
たしかに自然の中の美しさに出会うと、
濁った感情が吹き飛んで心がサアッと澄んでくる。

私の専門分野の「絵」だけを見ても
 
見るだけで奮い立つような絵がある。
画家の生きざまの匂いがフッと香ってくる絵が。
自分の怠惰が恥ずかしくなって、突き動かされる絵が。
 
本当は、できるだけ美しい絵を
子どもたちに見せないといけないのでは?

子ども向けの絵ってあるんだろうか。
それは、子どもだましの絵になってないか。
子どもたちの感性を見くびってないか。
 
子どもたちにとって、
高尚すぎるものはあるのだろうか。
本質の美しさを見抜く力は、もしかしたら
子どもたちの方が持っているかもしれない。


最近の絵本がイラスト系の絵に傾いているのが
とても気になっている。
それが悪いわけでないが、もっとアート系の絵の
絵本や画集を子どもたちに見せたら。
どんな反応をするだろうか。
 
 
子どもたちの生きる世界が
今よりもっと美しいようにと願います。