012歳児絵本研究~「しましまぐるぐる」 | 絵本作家 ふじもとのりこの「絵本がもっと楽しめる!絵本製作裏話」

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絵本に関わり、早や40年。
ママと子が一緒に楽しめる絵本を4冊、工作本も出版!
絵本作家しか知らない、絵本の創り方、絵の技法、親子で作るキッズアート大公開
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こんにちは

絵本作家ふじもとのりこです。

 

012歳児絵本研究~

         「しましまぐるぐる」

 

しましまぐるぐる

 
絵: かしわら あきお
出版社: 学研 
 
 この絵本は、カラーインクの魔術師、永田萌さんが、
「お嫁さんが子どもたちにとてもいい絵本だと買って来てました」と
おっしゃっていた一冊です。
 
赤ちゃん研究の成果を駆使して、作られている絵本です。
①黒が目をひきやすい
②顔に興味を持つ
③反応のいい、しましまやぐるぐるの多用
④コントラストの強い色あい
 
特にストーリーはないようだけど・・・。
 
 
レビューを見てみると、
赤ちゃんがじっと見ていた。という意見が多かったです。
 
あとは、少し大きくなってから、絵をみて笑う、とか。
指で、ぐるぐるやしましまをなぞって読み聞かせると、後に自分でやるようになった、とか。
ストーリーがない分、親が話しを作ったり、抑揚をつけたり、
指差ししたり、工夫する方が反応がいいので、親の楽しみでもあるとか。
絵がかわいいから好き、という人もいて。
 
口コミで買ったり、プレゼントでもらったりした人も多いようでした。
「赤ちゃんの発達を考慮」といううたい文句もママには魅力なようです。
「この絵本を見ると泣き止む!とか大人しくなる!と聞いたので」とか
いう文には、う~~~~ん、とうなってしまいますが。
 
 
おおむね好評だと思いますが、私が???と思ったのは、
「赤ちゃんがじ~~~と見る」ということです。
赤ちゃんが見るということが、すなわち良い絵本なのかなあ?
反応があると、ママは嬉しいとは思います。
 
が。
たとえば、まどろむように聞いている、という絵本はどうでしょうか。
じっと見る、というのは、赤ちゃんが覚醒する、ということです。
 
でも、赤ちゃんが緩む絵本もいいんじゃないか。
むしろ、、安心して緩むという体験がこの時期、必要な気がします。
 
この研究は、赤ちゃんが反応する、ということに特化した研究なんじゃないのかな?
 
絵本は絵だけじゃなく、音 ̄言葉もあります。
そして、この時期、あまり見えない目よりも、音や匂いの方が優位なのではないのでしょうか?
 
見えないから、見やすいものを与えて集中させるよりも、
見えないときには、見なくていい。
 
優しい音、流れるような、ゆったりした、暖かい音、言葉の絵本が
必要なのではないでしょうか。
 
たとえば、子守唄やわらべ歌のような・・・。
子守唄の絵本は、もっとあっていいように思います。
 
(でも、これもわらべ歌絵本と同じように、「絵本でないとできない絵本を作りたい」という編集者には受け入れられない気がしますが」)
 
 
この絵本、みなさんはどう思われますか?
 
 
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