絵本の持ち込みについて | 絵本作家 ふじもとのりこの「絵本がもっと楽しめる!絵本製作裏話」

絵本作家 ふじもとのりこの「絵本がもっと楽しめる!絵本製作裏話」

絵本に関わり、早や40年。
ママと子が一緒に楽しめる絵本を4冊、工作本も出版!
絵本作家しか知らない、絵本の創り方、絵の技法、親子で作るキッズアート大公開
描いて、読んで、親子で絵本を10倍楽しもう♪

 こんにちは。
新米絵本作家 ふじもとのりこです。

前回の鈴木出版の持ち込みに関して、
「それでは、私もそこへ持ち込む!」という
反応が多いようでしたので、少し補足させていただきます。
私のブログ記事で持ち込み希望者が増えて、
鈴木出版にご迷惑がかかるといけないので。

今は出版不況です。
昔は持ち込みもよくあったようですが、
今は持ち込みを受け付けない出版社も多いです。
BL出版も受け付けていません。
松田さんの紹介だから見てくれたのです。

持ち込みダミーを見るには、最低15分は時間がとられる。
中には、出版レベルにない作品もある。
最低限の人数でまわしている出版社にとって、
その時間がしんどいのです。

ほとんどの出版社が、「送ってください」と言われます。
そして、「わが社とは作風が合いません」と言って返されます。
どこが悪いかを、具体的に教えてくれることはありません。

持ち込みは、したくてもなかなかできない。
これが新人の現実です。
特に地方在住者にとっては。

あるベテラン編集者は、
「ぼくは持ち込みから絵本にしたことは、一度もない」
と断言し、絵本コンペに出すことを勧められました。
持ち込むのは、実績のない新人が多い。
企画会議に挙げても
「その人で、何部売れるの?」という話が出て、通らないとか。
だから、せめてコンペに入賞し、実績をつけろというわけです。

私がおすすめするのは、本気だったら絵本塾に行くことです。
授業料は高い。でも、その投資をしてもやりたいかどうかです。
ほとんどの絵本出版社は東京に集中しています。
東京までの交通費を考えると、東京から編集者が来て、
「さあ、ダミーを出しなさい。見てあげる」と 言ってもらうなんて、
考えられないラッキーです!
自作の絵本は自己満足でひとりよがりの面が必ずあります。
何度もダミーをたたかれながらやり直し、出版レベルの絵本まで
練り上げていく。その感覚を身に着ける。
そして、絵本コンペに出してみる。
これが、一番確実かと思います。
持ち込みするなら、プロの目で一度見てもらい、出版レベルに
なっているか、確認することも必要です。


鈴木出版の羽賀編集長とは、別の会で知り合って名刺をいただき、
持ち込みさせてほしいとお願いして、しぶるのを宴会席でのゴタゴタで
なんとか見てもらう約束を取り付けたのです。
それでも 最初は
「本当に来るとは思わなかった」と言われましたよ。


ハードカバーで出版できたのは、絵本塾の講師だった
松田素子さんが、気に入ってくださったから。
それも松田さんが講師になって6年間で、声がかかったのは
私が初めてだと、塾長に言われました。

絵本を作る事と、出版することはまったく別物です。
製作は、アート。
出版はビジネスです。

絵本を一冊出版する時、出版社は300万円からの資金をかけます。
1000円の絵本の初版が3000部だとしたら、
初版が全部売り切れないと、赤字が出ると言うことです。
だから、出版社もおいそれとは、出版を決めてはくれないのです。

だからこそ、出版できた喜びは大きいのですが。




最後までお読みくださってありがとうございました。
世界中のこどもたちが 夢に向かって努力を積み重ねていますように。

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