ここで一旦、モードが替わる。
ハイエナジーでコンパクトな楽曲が
連なった前半から、
長尺の曲でジワリと攻め込む
後半へ。
dipという「鬼火」は、
その炎色を変えて行きました。
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後半戦、
まずはdip流クラウトロックの
最右翼ともいえる曲、
「underwater」から。
こちら、久しぶりの生演奏です。
このナンバーは、
先代ベーシスト・ヨシノトランス氏
在籍時のもの。
ベーシストが違うから
以前の印象と異なるのは
当然なのですが、
それにしても尚、その変容ぶりには
驚かされるものがありました。
所謂、
正調のクラウトロックに
変質しており、
以前に漂わせていた、
水面下にいるような揺らぎが消失。
もう昔とは別物の
「underwater」が、
そこにはあったのです。
まず特筆すべきは
リズムのキレの良さ。
やっぱりこの時、この楽曲の
肝となったのは、
ベース・ナガタ氏のプレイです。
いつも冷静で、不動の佇まいを
見せる氏ですが、
この日のクールネスは
飛び抜けていました。
とにかくブレない。
ドラムス・ナカニシ氏との
コンビネーションも最高。
そして、
音の引き際がとても美しかった。
蛮性を帯びながらも、
侘び寂びの境地に至る美しさが
あったのです。
そんな「美」を湛えたリズムの上で、
ギターのヤマジ氏は自由に動きまわり、
変幻自在の音を奏でて行く。
もうヤマジ氏、この時は
ギターによる全ての手の内を
見せるのではないか、と
思うくらいに
様々な手筋を繰り出していましたね。
この1曲に、
そこまで熱を注ぎ込むのか…。
感嘆と共に、震えを感じましたよ。
その「底」の見えなさに。
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そして次なるは、
こちらも懐かしいカヴァー曲、
「Harlem Nocturne」
三人の「鬼火」は、
その色を俄かに変える。
ここでは
「情念」の炎が燃え盛ったのです。
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「Harlem Nocturne」は
元々妖しげで、
「夜の艶」を帯びたナンバー。
そしてギターメインの
インストゥルメンタル曲。
ということもあってか、
ここではヤマジ氏のギターが炸裂!
ウェットで、繊細なタッチ。
そして絶妙な「抜き差し」で
音を繰り出す。
何度も、何度も。
これぞ
「官能の世界」とでもいうべき
「艶」を描き出していました。
…これやられたら、
他の男は堪ったもんじゃないです。
本当にw
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さて、ここからはライヴの終盤。
畳み掛けるように
音が繰り出されて行く。
まずはインストの「it's late」
そのストレートな情熱が、
空間を狂騒に染め上げる。
ナカニシ氏のドラムスが
盛り上げる、盛り上げる!
もうここに至っては、
客席も阿鼻叫喚ですよ。
なんだか凄すぎて、
私も前後不覚。
意味不明の
笑いがもれ出る始末でしたw
まあ所謂、
「魂抜かれる」って状態に
なったのですね。
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そして続けざまに終曲、
「Lust for Life」へ。
この曲も、最近の定番ですね。
今回、全般的にヤマジ氏の唄は
キーが低めだったけれど、
その所為か、
この「Lust for Life」は
ソロアルバム「400 moai eyes」の
ヴァージョンに近い印象だったな。
「魂抜かれた」頭でしたが、
そんなことを思ったりしました。
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これにて、この日のdipは終わり。
濃密なる1時間強でした。
大満足だったし、
すぐにでも次のライヴが観たいと
思った次第です。
(でもまだ予定はなし)
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多分、この日のライヴは
一夜のマジックではない。
この後もずっと続く気がするんだ。
それを確かめる為にも、
私はもうしばらくdipを追いかける。
そして、dipが今以上に
広く世間に知られることを
夢見ていたりします。
個人的な想いだけどね。
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〈備忘録〉
2015年6月25日(木)
EXTRUDERS Presents
"EXTRUDERS/dip"
with 仙石彬人
@新代田FEVER
dip
・ヤマジカズヒデ(Gt&Vo)
・ナガタヤスシ(B)
・ナカニシノリユキ(Dr)
セットリスト
01. krauteater
02. 9souls
03. Neurotic Mole
04. Ode
05. Hasty
06. underwater
07. Harlem Nocturne
08. It's Late
09. Lust for Life
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(dip編はここまで。この後は
EXTRUDERSと仙石彬人編です)
Link→
dipとEXTRUDERSと仙石彬人(その3)