Anarchy In The AK ~足利アナーキー~ | 諸々の昼休み

諸々の昼休み

日々の諸々

漫画家・吉沢潤一。

デビューは確か、
ヤングチャンピオン掲載の
「足利アナーキー」だったか。

「足利アナーキー」は
その名が示す通り、北関東の
中都市「足利」が舞台。

高校生の喧嘩屋「ハルキ」が、
栃木の「ギャング」たちと
抗争を繰り返し、仲間たちと
のし上がって行くというストーリー。

…なんて説明だけだと、
通俗的な「ケンカ漫画」を
思い浮かべがちですが、
実際の印象は随分と違いました。

足利アナーキーその2

「男同士の友情」みたいな、
ベタベタしたものは全否定。
そして「不良だけど根は良い奴」
みたいな逃げもなし。
ケンカは「技術論」で語られる。

リアルに近い「不良たち」が
描かれた作品でした。

特に顕著だったのは、
登場人物たちの台詞。
彼らの発する言葉の「壊れ方」に、
現場感があふれていました。

でも、
その言葉たちが「本物」なのかは
私には分かりません。
しかし、間違った敬語の使い方や
俗語の混じり方なんてものは、
時代を越えた「型」のようなものが
あると思うんですよね。

そこをしっかりと押さえた
台詞回しだったのです。

(この件、伝わりにくいですね。
記事の最後に後述します)

――――――――――――――――

作品は終盤、
メタ的な展開となります。
作者による社会学的な考察が、
随所に織り込まれるのです。

そして、
最終的に語られたのは
「日本論」と「日本人論」

行き着いた場所はそこでした。

――――――――――――――――

唐突にラストを迎えるこの作品。

その締め方には
賛否両論ありますが、
作品をもう一度読み返すと、
作者は作品の序盤より
「日本論・日本人論」を
タペストリーのように作品に
織り込んでいることに気付きます。

これはある種、
計画的なエンディング
だったのかもしれない。

今になって、そう思います。

まあ、何はともあれ
「問題作」ですよ。

――――――――――――――――

あと少し付け足し。

この作品、やたらと音楽ネタが
出てきます。

「FRUITY」
「SCHOOL JACKETS」

さりげなく、そんなバンド名を
出すところも好きでした。



〈後述・追記〉

登場人物たちの台詞回しについて。

具体的なイメージに近いのは、
キューブリックにより映画化された、
「時計じかけのオレンジ」の
原作小説が一番かも。

作中登場する不良少年たちが使う
特殊言語、「ナッドサット」

その言語としての壊れ方が
今の時代にも通じるというか。

いや、これも分かり難い例えか。
すみません…。

もし機会があったら、
チェックしてみてください。