「動詞を切り離して、目的物だけを抽象化することは、極めて難しい。名詞は言葉の中で、各段に高レベルな概念なんだ・・・人は、ついには、その名詞のために生きることになる」
著者: 森 博嗣
タイトル: 幻惑の死と使途
ジャンル:ミステリー
面白い方法で書かれるミステリー。決して、目新しいものではないのだが。
知っている方は、村上春樹の「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド。辻仁成・江國香織の「冷静と情熱のあいだ」を、思い浮かべて欲しい。
あんな感じで物語が進む。
つまり、同じ時間軸を、二つのストーリーが同時に進行していく。「世界の
終わりとハードボイルド・ワンダーランドは」読み方によって、ちょっと違ってくるだが(いずれ紹介するが)。
この作品では、同じ時期に二つの事件が同時に起こる。当然ながら、萌絵は二つの事件に頭を突っ込むわけである。
この、物語は奇数章にのみによって進行する。
天才奇術師・有里匠幻が、マジックショーの途中で殺害される。その後、霊柩車の中から彼の遺体が消失した。遺体はどこに?これもマジックなのだろうか?しかし、本当のマジックは・・・
森博嗣の作品には、様々な事象に関する、難しい概念・思想が出てくる。しかし、それは意外にも、私達が普段行っていることで、深く考えない事なだけなのだろう。
3次元とは?名前とは?トリックとは?
深く、切り詰めていくと、森博嗣が述べる言葉に、還元されるのかもしれない。