サン・ペドロへの支援状況 | グアテマラ・マニア日記

サン・ペドロへの支援状況

昨年5月末にグアテマラを襲った熱帯暴風雨アガタから一年以上経過しました。
活動報告が遅れて申し訳ございません。

3月11日に起きた東日本大震災はグアテマラでも大きく報じられ、
グアテマラの方々からも、お見舞いの言葉をいただきました。
世界中からの支援の中、グアテマラからも緊急援助物資が被災地に送られました

遅くなりましたが、サン・ペドロ・ラ・ラグーナ(以下サン・ペドロ)への
その後の支援状況を報告させていただきます。

サン・ペドロでは昨年11月初旬まで雨水を逃がすための溝工事実施に向けて、
復興委員会や被災住民のペドロさんを中心に
話し合いや署名活動、行政への働きかけが行われてきました。
しかし、自分の土地に溝をつくることに納得できない住民や資金不足のため、
溝工事実施は難しいという判断となりました。

溝工事への動きについては以下の記事をご覧ください。

サン・ペドロ・ラ・ラグーナでの支援活動報告

サンペドロ・溝工事へ向けての住民運動など

サン・ペドロ・ラ・ラグーナ被災住民支援

この間に土砂災害にあった周辺住民は溝工事の同意書、
および行政への同意書の2通を弁護士に作成してもらいました。
弁護士代はボランティアでしていただけたので無料でした。
しかしその書類につける印紙代がQ300(約3500円)×2通分、
合計Q600(約7000円)を義援金から支払わせていただきました。

その後、行政が道路の舗装工事をすることが決まりましたが、
溝工事は受け入れられず現在は溝なしの舗装工事が進んでいます。

このため溝工事資金の一部に予定していたグアテマラ緊急支援プロジェクトからの残りの義援金は、
被災住民の生活再建のために充てることになりました。

最初の生活支援該当者は、住宅が全壊し、仕事も失ったフレディさん家族8人
6人の子供を抱え、仮設住宅の家賃Q300(約3500円)も払えない状況で、
行政からの支援や親戚からの援助もなく途方にくれ、ペドロさんに相談されました。
家賃支援よりも今後の収入確保のためにも
これまでの料理人という職歴も生かせる商売をはじめるよう話がまとまりました。

屋台の必要道具などQ1400(約16000円)を支援し、
昨年11月にフレディさんのシュラスコ(焼肉)屋がオープンしました。

$グアテマラ・マニア日記

詳しくは“サンペドロ被災者生活支援。報告1”をご覧ください。

オープンから半年以上過ぎ、フレディさんは現在、
夜の営業だけでなく、昼間に道売りもしながら6人の子どもを養うために頑張っておられます

二件目の生活支援該当者は、災害時に頭部を負傷したフランシスコさん(54歳)。

$グアテマラ・マニア日記

フランシスコさんと長女デルフィーナさん

妻を早くに亡くし、男手一つで車いす生活の長女と、
次女は結婚し同居していませんが、まだ学生の三女を養っています。
アガタによる土砂崩れで、自宅に大量の土砂が入り込んだ際に頭部を負傷し、
その後異常が出て、首都の国立病院で手術し、安静状態の後、
一時は社会復帰していました。

しかし約1ヶ月前に今度は尿が出なくなる病気になり、
現在はストーマ(人工肛門)を着けて生活し、
管が太くなるのを待って8月半ばに手術をする予定です。
ソロラにある国立病院では対応しきれないため、
首都にある専門の私立病院で受けることになりました。

検査代にQ3500(約40000円)、手術費Q5000(約58000円)が必要ですが、
働き手がいないため、手術費などを街角募金で募っていましたが
Q500(約5800円)程しか集まっていません。
グアテマラ緊急支援プロジェクトは残りの義援金Q4025(約47000円)
フランシスコさんの手術費に寄付することにしました。

サンペドロ在住でプロジェクトに協力してくださっているまゆみさんと、
被災住民のまとめ役ペドロさんからの、
“いつ実現するかわからない溝工事のために義援金を保管するより、
今困っている人を助けたい!
という意見に賛同しました。

フランシスコさんは元々左官屋の仕事と農業
夕方からは教会の警備などをされていましたが、
現在は痛みがあり、あまり動けない状態です。
家族のためにも早く手術を受けて、
仕事に復帰したいという想いが強いようです。

娘さんたちに相談したところ、
お金が入ると言うと本人はすぐに手術したいと言うので、
本人に義援金の詳細はまだ伝えておりません
管が細いと手術ができないため、
8月半ばの検査前に渡していただく予定です。

その後の経過がわかり次第、また報告させていただきます。

サンペドロへの支援金内訳
・被災住民14世帯に食料物資支援   Q2343(約27000円)
・溝工事の同意書2通の印紙代     Q600 (約7000円)
・フレディさん一家への生活再建支援 Q1400(約16000円)
・フランシスコさんの手術代     Q4025(約47000円)
---------------------------------------------------------------------
 合   計            Q8368(約97000円)


当初は1ヶ月だけの緊急物資支援を予定していたグアテマラ緊急支援プロジェクトも、
支援活動の中で、被災された方々の様々なニーズを知り、
復興には時間がかかることを痛感し、
活動期間や内容を変更してまいりました。
活動報告が遅れてしまったことを深くお詫び申し上げます。

アガタ被災者にたくさんのご支援をいただき、本当にありがとうございました。
次回は、プロジェクト全体の支援金総決算を報告させていただきます。