婦人科での内診台…カーテンの向こうは? | 「女性ホルモン」を味方に!!

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婦人科を受診する場合に内診台に乗るのは不安だという患者さんからの声をよく聞きます。内診台のカーテンの向こうでどんな事が行われているのか婦人科ナースの視点から解説致します。これを知ればちょっとだけ、不安が軽減するかもしれません。

 

  どんな時に内診台に乗るの?

婦人科を受診する患者さん、全てが内診をするわけではなく必要性のある人だけが内診を受けます。私が勤務するクリニックでは

おおよそ10人中3人位の患者さんが内診を受けるイメージです。

 

□子宮体がん・子宮頸がん検査、性病検査など

□問診後、医師が内診を必要と判断した時(膣・子宮・卵巣などの観察、診断など)
 

  内診の流れ

1. 医師による問診後、内診室に移動しショーツを脱ぎます。靴下は履いたままで大丈夫です。

 

2. スカートを腰までめくり、内診台に座ります。この時、椅子に深く腰掛けてもたれると体の力を抜きやすくなります。

 

3. 看護師が内診台を動かすと、高さが上がり、お尻の下の台が開きます。

 

4. 医師が外陰部を視診(目で見ること)し、腹部の触診を行います。

 

5. 経腟エコーを行う場合、膣からプローブと呼ばれるものを入れて観察します。

 

6. 必要があればクスコを使って膣を広げ、診察します。

 

 

    

上記のイラストのクスコと呼ばれる器具を膣から挿入します。クスコにはいろいろなサイズがあり、その人に合わせて医師がサイズを決めます。膣の狭い人にはSSSサイズのものを使用します。

クスコはアヒルのくちばしのような形で、開いたり閉じたりして操作します。金属製なので冷たいと思われるかもしれませんが、直前まで保温器に入れている為、人肌の温度で挿入します。

 

7. 膣のかゆみやおりものの異常などがある患者さんは検体を採ります

 

8. 子宮頸がんの検査の場合には、子宮頸部に綿棒やブラシを使い検体を採ります。

 

9. 子宮体がんの検査の場合には、子宮体部にブラシを使い検体を採ります。

 

10. 終了後は看護師が外陰部をペーパーで拭きます。

 

11. 内診台が元に戻るので、椅子から立ち、ショーツを履きましょう。

 

12. 身支度を整え、診察室で医師の話を聞いてください。

 

 

  具体的な検査方法

子宮頸がん検査方法

綿棒やブラシを使い、子宮頸部を軽くこすって検体を採取します(軽い痛みや軽度の出血がある場合もある)

 

子宮頸がん検査には、従来法(綿棒で採った検体をスライドガラスにつけて検査)とLBC法(ブラシで採った検体を液体に浸して検査)があります。日本では約90%が従来法、アメリカでは90%・イギリスでは100%がLBC法です。LBC法は検査の精度が高いため再検査の必要がほとんどなく、実際にLBC法が行なわれるようになって以来、子宮頸がん患者の数は減少しています。

自分もLBC法で検査を受けたいと思った方は、クリニックにどの検査法で子宮頸がん検査を行っているのか問い合わせてみるのもひとつの方法です。

 

子宮体がん検査方法

細いブラシ状の検査器具を使って子宮内膜の細胞をこすり取ります(子宮頸がん検査よりも痛みと出血があります)

 

 

  まとめ

何度経験しても内診台に乗るのは躊躇するものですし、その不安は現場のスタッフたちもよく理解しています。医師には聞きにくいけど…など、何でも看護師にご相談下さいね。