検診で「骨密度」の低下を診断されたCさん…骨粗しょう症? | 「女性ホルモン」を味方に!!

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このブログでは、特に更年期に焦点を当て、知識を通じて生活の質を向上させる情報を提供していきます。
 

 

今回は、何の自覚症状はないまま骨粗しょう症の一歩手前である「骨減少症」になっていた、55歳女性の事例です。

一度低下した骨密度を回復させることは非常に困難。

骨粗しょう症を予防するためには、若いころから骨密度の維持に必要な運動・食事を心がけ、「骨の貯金」をすることが有効です。

 

  健康診断で骨粗しょう症の検査を受けたCさん

 

C子さん 55歳女性

 

・市の無料検診クーポンが送られてきたため、子宮体がん、子宮頸がん、骨粗しょう症の検査を受けるため受診(職場の健康診断で骨粗しょう症検査を年1回受けていたが、数年前から項目が抜けたため近年受けていなかった)

 

・子宮体がん、子宮頸がんの検査結果

 → 問題なし

 

・骨粗しょう症の検査結果

 → YAM値:74%(骨減少症)

 

 

ドクターより

・YAM値が74%であり、骨減少症(骨粗しょう症予備軍)の状態

 

・現在は治療対象ではないが、日常生活でできることを実施し骨量の減少を予防すること

 

・今後、年に1回の骨密度検査を受けるように勧められる  

 

    

 

YAM値とは?

 

20歳~44歳の骨の状態を100とした時、現在の自分の骨量の割合

 

YAM値80%以上…異常なし

YAM値70~80%…骨減少症

YAM値70%以下…骨粗しょう症

 

 

  更年期と骨粗しょう症の関係

 

エストロゲン(女性ホルモン)の働き:

エストロゲンは、破骨細胞(古い骨を吸収する細胞)と骨芽細胞(新しい骨を作る細胞)の両方に作用している。

閉経にともなうエストロゲン欠乏により、破骨細胞による骨吸収が亢進して、骨量が減少すると考えられる。

 

 

骨粗しょう症の原因

加齢、閉経によるエストロゲン欠乏、その他(喫煙、飲酒、過度なダイエット、運動不足)

 

 

骨粗しょう症の症状:

骨折しない限り自覚症状はない

 

次の項目のうち、ひとつでも当てはまるものがあれば骨粗しょう症の可能性

□以前より身長が低くなった

□背中や腰が曲がってきた

□背中や腰に痛みを感じる

 

 

骨粗しょう症によって折れやすい部位

これらの部位が骨折しやすい理由は、骨粗しょう症によって骨の密度が低下し、骨がもろくなるため。

特に閉経後の女性では骨密度の低下が顕著になり、骨折のリスクが高まる。また、日常生活での転倒や、ちょっとした衝撃で骨折が起こりやすくなるため、手をついたり、重いものを持ち上げたりする動作で骨折が発生することがある。

 

 

骨密度の検査

 

 

・DXA法 (デキサ法): 腰や足のつけ根の骨密度をX線で測定
・MD法 (エムディー法): 手のひらのX線写真を用いて骨密度を評価
・QUS法 (キューユーエス法): かかとの骨を超音波で測定し、将来の骨折リスクを予測
・レントゲン撮影: 胸椎や腰椎を撮影して骨折や変形を判定
・骨代謝マーカー(血液・尿検査): 骨の現在と将来の健康状態を調べる

 

 

治療:

YAM値が70%以下で薬物治療の対象となる

薬物療法で効果が出るのは1年から3年後と言われている。途中で服薬を中止せず飲み続けることが重要である。

 

薬物治療以外では下記の日常生活の注意が重要

 

 

日常生活での注意:

ポイントは、食事・運動・日光浴

 

1. 食事

カルシウムを摂取する

骨を強化するためにはカルシウムが必要です。牛乳や乳製品、豆腐、鮭などカルシウムが豊富な食品を摂取しましょう。


ビタミンDを補給する

ビタミンDはカルシウムの吸収を助けます。日光浴や魚介類、卵黄などビタミンDが含まれる食品を摂取することが重要です。


タンパク質をバランスよく摂取する

骨の形成や修復に必要なタンパク質を肉類、魚介類、大豆製品からバランスよく摂取しましょう。


適度なカフェインとアルコール摂取

過度のカフェインやアルコール摂取は骨の健康に悪影響を与える可能性があるため、適度な量を守りましょう。


これらの食事ポイントを意識してバランスの取れた食事を心がけることで、骨粗しょう症の改善に役立ちます。
 

 

日光浴

人間の体は、食事からビタミンDを取り込みますが、日光浴によってもビタミンDを生成することが可能です

日光の紫外線B(UVB)が皮膚に当たると、体内でビタミンDが生成されます。

このビタミンDは、骨の材料となるカルシウムの吸収を助け、骨形成を促進します。

 

夏は木陰で30分程度冬は1時間程度の日光浴が効果的です。

 屋内で過ごす時間が長い人や、美容のために過度な紫外線対策を行っている人では、ビタミンD不足が心配されるため運動をかねて積極的に外出する機会をつくって、上手に紫外線と付き合っていくことが大切でしょう。日焼け止めや帽子などの対策をしながらでも骨粗しょう症の予防には十分な効果が期待できます。

また、セロトニンの分泌を促し、ストレス解消や気持ちを明るくする効果もあります。

 

 

運動
有酸素運動

ウォーキングや水泳など、体に負荷をかけすぎず一定の時間をかけて運動を行う有酸素運動が適しています。


強化運動

腹筋運動やスクワットなどの自重トレーニング、軽量のダンベルなどを使ったトレーニングによって、骨の強度を向上させることができます。


バランスと姿勢の改善

ヨガやピラティス、ストレッチなどバランスと姿勢を改善する運動も重要です。転倒リスクを減らし、骨折を予防します。


 

  まとめ

自覚症状がないため、気づきにくいのが特徴の骨粗しょう症。

40代以上の女性は年に1度検査をすることはもちろん、日常生活の中でできることを行うことが重要です。