冬ドラマに乗り遅れた私だが、今のところすべての回を視聴完了した作品がある。


リバーサルオーケストラだ。


主役のお二人が田中圭さんと門脇麦さんなので、最初は「目新しくない組み合わせだな」などと失礼なことを思っていたが、さすが実力派のお二人が率いる作品だけあって、とっても良いドラマである。


田中圭さん作品で私の印象に残るのは「おっさんずラブ」や「あなたの番です」といった彼のコミカルな演技が光るものだが、今回のシリアスでクールな役柄も決まっている。


オーケストラもののドラマ史上最も多くの視聴者のハートをつかんだ「のだめカンタービレ」のチアキ先輩を凌駕するといってよいほどのカッコいい指揮者ぶりである。

カルメンの回の演奏開始の弾ける動作は音楽の特性とマッチして癖になる映像であった。


そして、そんな彼のお相手役が門脇麦ちゃん演じるバイオリン奏者なのだ。


私はこのブログで、2022秋ドラマの際も麦ちゃんについて書いた。普通のかわいい子を麦ちゃんが演じる違和感について。


その後麦ちゃん演じる彼女は暗い過去を持つサディスティックな人に豹変し、私を含む視聴者を納得させたわけだが、今回の麦ちゃんについて考えてみたい。


今回の麦ちゃんはかわいい。かと言って、別に麦ちゃん的に違和感もない。もし、今から彼女が実は異常者で、病院のベッドで高笑いでも始めたらそっちの方が嫌だ。


麦ちゃんは私が出会った朝ドラのころから常に癖のある役を演じ続けてきたのだが、令和以降普通のかわいい演技も得意であることをいよいよ世に示し始めたのだ。

ただかわいいのだが、麦ちゃんであるがゆえに実は深みがある。しかし、結局はかわいい女の子。

さんざん曲者を演じた果てにこんなかわいい演技を普通にするとは、もうぐうの音もでない。すごいっすね、さすが。


というわけで、田中圭さんに麦ちゃんに、真犯人フラグから阿久津刑事やら実さんやら、鼓太朗君やらのメンバーも参加し、私にとっては実に魅力的なドラマなのである。


困難ばかりが立ちはだかる玉響に幸あれ!と願いつつ、来週の回を楽しみにしたい。