この前ユニクロに行ったら店内がすっかり秋色になっていた。

 

「秋色」とは自然界、特に植物たちが冬を迎えるにあたって体現する色の総称と言って差し支えないだろう。

 

植物が日光を浴び、クロロフィルを多く生成していた青々とした状態から、アントシアニンを多く生成する状態に変わると起こる現象らしい。

赤、黄色、茶色、オレンジなどが様々な彩度、明度を示し、何とも言えない温かい色彩となる。

私はこの秋色が何とも好きなのであるが、全体的にほっこりと茶色っぽくなったユニクロ店内を見て、考えたのである。

 

「なぜ人は秋になったら秋色を着るのだろう。」と。

 

人間は季節と共に皮膚や髪、目の色が変わるわけでもないし、冬毛に生え変わるわけでもない。

それに自然に同化しないと天敵に襲われてしまうというわけでもなかろう。

暖かければ別に何色だってよいではないか。

 

寒い季節だからこそ、若葉の色や桜色を身にまとえば、活気だってわきそうである。

 

そんなとき、ふとミノムシのことを考えた。

ミノムシは茶色い枝や枯葉を身にまとい冬を越す。

ミノムシは鳥さんなどに食べられてしまうかもしれないから自然に同化しているのだろうが、春を待ち、冬を越すものはやはり皆、偉大な自然の一部であるのだ。

つまり、私たち人間も。

 

きっと太陽の軌道が遠くなり、日が短くなり、日差しが弱くなる過程で、「恐い天敵に見つからず冬を越せるように、自然に同化しなさい。」という指令(ホルモン)が脳から出るのかもしれない。

 

そういえば忘れていたが、私も、寒い冬にどこかに身をかくし、冬眠出来たらどんなに良いだろうと思う者の一人だ。

 

ユニクロさんのディスプレイでこんな深い思考ができるようになってきたとは、私も人生の達人になってきたなあ。。。自画自賛で失礼しました。