ゴールデンウィークが終わり、世間には五月病的憂鬱を味わっている方もいるのではないだろうか。私もその一人かもしれない。

 

さて、このゴールデンウィーク、どこにも行かなかった私だが、amazonにはすっかりお世話になった。

 

amazonで買った本を読み、amazonプライムビデオでドクターXのドラマ(有料だが以前にもらったクーポンで賄った)やずっと見たかった映画「麒麟の翼」(これは無料)をamazon TVスティックを使って鑑賞したり、これは何度か書いているが、amazonプライムミュージックの聞き放題サービスでsuchmosやMAROON5を聴いたり、買った品物の代金とプライム会員の会費はもちろん払っているが、ほぼお金をかけることなくこんなにも庶民ライフを楽しめるなんて!

 

もはや私はamazon王国の住民。王様万歳!大臣万歳!と叫びたい気分にもなるというものだ。

 

だが、これでいいのか、とちょっと考える。

 

一方ではどんどんネットやテクノロジーの発達で便利になり、その分他方では既存のサービスは廃れていく。便利なサービスを利用する術を持たない人たちの不便度はどんどん上がっていくのだ。

 

私自身、ついこの間までBluetoothは自分には縁のないものと信じて疑わなかった。今現在私が利用していない便利な技術はもちろんまだまだ数え切れないほどあるし、一生使わないままかもしれないし、amazonの各種サービスだって利用していない人はたくさんいるだろう。私のように地方在住であることも一つのハンディとなる。

 

音楽のネット販売が増え、CD店の数が激減した。本のネット販売も一般化したり、そもそも本離れが進んだりして、本屋も一つ、また一つと店をたたんでいる。宅配業界も荷物の増加と再配達の負担で悲鳴を上げているとの報道が絶えない。物流が途絶えたらこの消費社会はパニックに陥るだろう。

 

そんな中、私が子供の頃から通い、子供時代の私にとってはパラダイスであった地元の書店が閉店した。そこに行けばワクワクする漫画、雑誌、かわいい文具などが置いてある憧れの場所だった店。立ち読み防止で漫画がビニール袋入りになったときにはがっかりしたものだ。でもいつもそこにあり、これからもその店はずっとそこにあると思っていた。

 

しかし、その店はもうない。悲しい反面、最近自分がその店に本を買いに行ったかというと、答えは「NO」だ。読んでみたいだけなら図書館で借りるし、買いたい本は出来るだけamazonの電子書籍で買うし、その店が存続できるような努力を私自身が全くしていなかったのだから、何を言うことも出来ない。

 

amazon王国、万歳!などと言って浮かれる自分を見つめるもう一人の自分がそこにいるのである。